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背中がジンジンと痛む。
そんなことよりも今しがた起こった、この状況のほうが
パニックで俺の手は、Aさんを抱き留めることもできず
さみしく宙を彷徨っている。
「私、女らしくないしだらしないし煙草だって吸うよ。」
俺の首元に顔をうずめたまま、
俺の上にのったままのAさんは少し、弱弱しい声で言う。
「女らしさなんてAさんに求めないよ。
だらしない所は、俺が直すし、煙草だっていらないようにする。」
「…身体だって弱いし、いろんな人に迷惑をかけるよ。」
「…それは困る。かけていいのは俺だけにしてほしいよ！」」
「…たまに、病むよ。」
「今まで病んでいる人間を何人見てきたと思ってるんだよ…。
ちょっとやそっとじゃ俺は動じないよ。」
何人ものメンバーが病むのを、俺はこの目で見てきたんだ。
それがこうして役に立つときがきたようだ。ありがとう、ＳＪ。
Aさんに触れてもいい気がして。
その背中に手をまわそうとしたとき、彼女がガバっと起き上がって。
「…私だって好きだ！イ・ヒョクチェ！あんたが好きよ！」
ようやく顔を見せた彼女の顔は、真っ赤に染まっていた。
この状況に、彼女の言葉が信じられなくて。
でも手を伸ばせば触れられる彼女の存在が
目の前に起きていることは現実なんだと、教えてくれる。
好きだけでは、人間はやっていけない。
好きな気持ちだけでは、物事はうまくいかない。
だけど、これから新しい、
俺たちの関係をつくっていけばいい。
好きだけじゃない、いろんな想いを重ねていけばいい。
「…じゃあAさんは俺の彼女になってくれるよね？
ていうかむしろ、なりたいでしょ？」
彼女がなんて答えるか、わかってる。
そう知ってておどける俺は、案外変態かもしれない。
結構マジなほうで。
「馬鹿。」
ほら、やっぱり。
「そう言うと思った。」
「変態なの？」
「変態でも、好きでいてくれる？」
「さぁ…それはどうだか。」
「ちょっと！」
「嘘だよ、好き。」
ふふ、と目を合わせて笑いあう。
寂し気だった自身の腕を、彼女の腰へ回す。
その腕はほどかれることなく、優しく受け入れられる。
「A、好きだからね！」
自然と近くなった距離に、触れる唇。
大きな会場の真ん中、俺たちは２人で
２人の道を歩き始めた。
- END -
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りこ(プロフ) - あーねさん コメ有難うございます！今月中に完結させたいと思ってますので！いつもありがとうございます、これからもどうぞよろしくです（＾＾） (2015年7月16日 13時) (
レス) id: 80f0c9f8dc (このIDを非表示/違反報告)
あーね - いつも楽しみにしています！たくさん更新してください！まってます！ヤキモチとか三角関係とか好きなので。。。笑楽しみにしてます！ (2015年7月11日 19時) (レス) id: 292f4be92e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りこ | 作成日時：2015年7月7日 15時
