・ ページ16
ドンヘとAさんを見ていると
自分のステージだけれど、他人の物語を見ているような錯覚に陥る。
それは俺だけじゃなかったようだった。
俺にあてられていたスポットライトが２人へと変わったときに
客席をパァっと見渡す。
悲鳴のようなドンヘへの歓声が起こったあとすぐに
２人の演技と、映像に引き込まれていく客席のファン達。
２人の姿から目を離せなくなるのは
俺だけではなく、みんな同じだった。
Aさんは泣かなかったけれど
涙を流した３日前同様の、演技を見せた。
一方のドンヘもAさんにリードされることもなく
さすがの演技力だった。
「ごめん俺泣いちゃった！」
「なんでお前泣くんだよ！」
ステージが終わり、俺がステージ裏に戻ってくるのを待っていた
ドンヘはアハハと笑った。
でも…初日にしては、本当に最高のステージになったと感じていて。
これから続くツアーの中で
もっといいステージになっていくと思うと、期待で胸がいっぱいだ。
この後はKRYのステージが続く。
俺たちはわりとゆっくりとしたスピードで楽屋へ向かって歩いていた。
「いや、Aちゃんの目が
俺を愛しているって言ってたから。」
「いってねぇよ！勘違いだろ！」
「お前にはわからないね！
Aちゃんにあんな目で見られたことないでしょ！」
ないけど…！
最近のドンヘはいったい、何なんだ。
俺は別にAさんの事どう思ってるとか思ってないとか
そんなこと一言も言ってないのに
俺を挑発するようなことばっかり言う。
そして、なんでか俺はそれを聞いて拗ねる。
ここ最近のドンヘはトゥギヒョン以上にAさんにべったりだし
すごい仲良しだし…
ちゃっかり毎日SNSのやりとりしてるのだって知ってるんだぞ！
俺は今まででさえ、仕事の連絡しかしたことないのに！
でも、ドンヘはよく笑って、楽しそうで。
それはAさんのお陰だってりするのかな、なんて。
「確かに女を感じたよ！
俺の前では…いつもあんなんだけど！」
ドンヘが指差す先には、俺達の数十メートル前を歩く
Aさんの後ろ姿。と、その両隣にはスタッフさん。
A監督、ちょ、ここではダメです！という
若い男性スタッフの声も聞かず、衣装のワンピースを脱ぎ掛ける彼女。
その脳内は、もう別のことを考えているんだろう。
なかなか際どい…見える！危ないから！
「せっかちだな…歩きながら(苦笑)」
その後ろ姿は、凛としている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りこ(プロフ) - あーねさん コメ有難うございます！今月中に完結させたいと思ってますので！いつもありがとうございます、これからもどうぞよろしくです（＾＾） (2015年7月16日 13時) (
レス) id: 80f0c9f8dc (このIDを非表示/違反報告)
あーね - いつも楽しみにしています！たくさん更新してください！まってます！ヤキモチとか三角関係とか好きなので。。。笑楽しみにしてます！ (2015年7月11日 19時) (レス) id: 292f4be92e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りこ | 作成日時：2015年7月7日 15時
