３２、We are the best −ＥＨ− ページ15
何度見ても、何回感じても
綺麗に揺れるブルーのペンライトを見ると、気分が高まる。
２年ぶりの、ステージ。
今こうして幕を開けた、ワールドツアー。
華やかに見えるステージでも
その裏では、たくさんの人が動いている。
それも自分達の原動力になっていると気づいたのは
自分が舞台を創る側の仕事を始めた時で。
ファンの人達だけじゃない、そういう人の力があるから
俺達は頑張れるんだと思うようになった。
ライブは始まってしまえば、
あぁ、２年ぶりに帰ってきたんだななんて実感する暇もなく。
慌ただしく動き回る俺達やスタッフさんに
イヤモニからはAさんからの様々な指示が聞こえてくる。
そして彼女がいつも手にしているスケッチブックには
こうしている今も、いろんな事が書き込まれているんだろうな、なんて思う。
そんなこんなであっという間に時間は過ぎて
それぞれのソロステージが始まっていく。
「監督メイクはいりまーす！」
ドンヘのステージが始まったと同時に
Aさんが、ソロステージ最後の俺の準備をする為に楽屋へやってくる。
その手にはやっぱりペンとスケッチブックがあって
いろんな事がビッシリと書き込まれている。
俺は舞台裏でメンバー達のステージを見たり
気になったことを紙にまとめたり、
わりと落ち着いた気持ちで時間をすごしていた。
こんなにも落ち着けているのは
Aさんが、開演前に俺に声をかけてくれたからなのかもしれない。
ステージに集中しなきゃ、と思いつつも
Aさんに謝れていない事がずっと気がかりだった。
すれ違ってばかりで全然時間がなかったっていうのもあるけれど
時間がたてばたつほど、彼女に声をかけにくくなっていたから。
次が自分のステージ、というところで
中央のステージ下に向かうために、Aさんとドンヘが歩いてきた。
「よろしく、頼んだよ。」
ドンヘは笑って俺の腕をグーで殴って。
「…Aさん、よろしくお願いします…。」
こんなに近づいたのが久々だったから。
ちょっと緊張して小さな声になった俺にAさんは
ドンヘの真似をして、笑って俺をグーで軽く殴る。
笑ってくれた…。
それだけで、自分の心につかえていたものが
スッキリした。
俺はひどい言葉でAさんを罵って傷つけて怒らせて。
悪いのは自分だとわかっていながらも、
嫌われて当然だとわかっていても
彼女が俺に向けた笑顔を見て、救われた。
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りこ(プロフ) - あーねさん コメ有難うございます！今月中に完結させたいと思ってますので！いつもありがとうございます、これからもどうぞよろしくです（＾＾） (2015年7月16日 13時) (
レス) id: 80f0c9f8dc (このIDを非表示/違反報告)
あーね - いつも楽しみにしています！たくさん更新してください！まってます！ヤキモチとか三角関係とか好きなので。。。笑楽しみにしてます！ (2015年7月11日 19時) (レス) id: 292f4be92e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りこ | 作成日時：2015年7月7日 15時
