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「1本、映画が決まってる。
夏芽ちゃんに話してみようと思ってた映画。」
___広能さんの言葉はあまりに残酷だった。
広能さんはやっぱり夏芽を選んだ、
間接的に伝わってきた。
所詮わたしは『捨て駒』だったんだ。
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寂しく1人で帰る放課後。
「……コウくん、」
椿の花の前にコウくんが立ってた。
コウ「おう、」
「夏芽ならもう帰ったよ?」
コウ「今日はお前に謝ろうと思ってきたんじゃ。」
「え、」
コウ「あのとき…悪かったな。」
多分、ショッピングモールでの出来事だ。
「別にいいよ、気にしてないし。」
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コウ「お前はなんでそんなシケたツラしてんのじゃ」
「なんでもないよ……んっ」
コウくんが私の口に椿の花を突っ込んできた。
「あっまい…おいし」
コウ「やーっと笑った」
「その言葉そのまま返すね?」
コウくんと笑い合うなんていつぶりなんだろう。
椿の赤と透き通るような金色の髪が合ってる。
コウくんの横顔はいつ見ても綺麗だ。
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「夏芽といるコウくん、好きだよ。」
コウ「……なに、言っちょるん?」
「綺麗だったんだ、2人とも。」
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コウ「お前も、大友といるときが綺麗じゃ。」
「ふふ、コウくんに褒められるとか初めて。」
コウ「褒めてやっちょるんに生意気じゃ」
思いっきり鼻をつままれて、
「ギブ!ごめんなさい!!!」
ってジタバタしたら話してもらえた。
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「コウくん、雰囲気柔らかくなったね。」
コウ「そうか?」
「私も、前に進まなきゃなあ」
心なしかスッキリした顔をしてるコウくんは、
きっと何かを見つけたんだろう。
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「コウくんはさ、これからも友達でいてくれる…?」
コウ「当たり前じゃ。
お前がどんな過去を持っていても、どんな未来を歩んでも。
俺はAのこと、友達じゃと思ってる。」
「ありがとう。」
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さすが「神様」だ、なんて。
久しぶりに心から安心できた気がする。
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梨々子(プロフ) - しーさん» わー!!ありがとうございます!!こちらこそ本当に感謝しかないです... (2021年1月22日 16時) (レス) id: a7464e1bcc (このIDを非表示/違反報告)
梨々子(プロフ) - にこさん» 書きたいな...と思って続き書かせて頂きました!待っていてくださって本当にありがとうございます。 (2021年1月22日 16時) (レス) id: a7464e1bcc (このIDを非表示/違反報告)
梨々子(プロフ) - mikkyさん» お話もあと少しですので、これからのかーくんの言動、楽しみにしてて下さったら嬉しいです。 (2021年1月22日 16時) (レス) id: a7464e1bcc (このIDを非表示/違反報告)
梨々子(プロフ) - (名前)さん» お返事遅れてごめんなさい!!これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年1月22日 16時) (レス) id: a7464e1bcc (このIDを非表示/違反報告)
しー(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!あのセクハラ男が今度は主人公ちゃんを狙っててそこから守ってくれる大友君!期待してます!大好きな素敵なおはなしをいつもありがとうございます (2021年1月22日 1時) (レス) id: e73754a629 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨々子 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/riko05251/)
作成日時:2017年9月24日 2時