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ころんside





さとみくんが出ていってしまってからすぐ、Aの容態は急変した。

ベッドに寝かせ、医者を呼んだ。


一定の速度で同じ音が鳴り、リアルタイムでAが生きていることを証明し続ける機械。


Aはずっと眠っている。





り「ねぇ…このまま起きないってこと…は…ないよね…?」




いや、その可能性はゼロではないだろう。

実際、眠る直前に最後の花を吐いたのだ。

このまま永遠の眠りについてしまう、というのも有り得る。





る「最後ぐらい、目を開けて欲しいです…。
Aちゃん…!」





全員が掠れた声で彼女の名前を呼ぶ。


その声に気付いてか、さとみくんも戻ってきた。




さ「…」



最後の花に目をやり、意味を理解し、やり場のない手をぎゅっと握り締めている。




さ「…A、ごめん。さっきはあんなこと言って…。
Aが1番辛かったのに。俺はAを助けることすら出来なかったのに…。
偉そうなこと言って傷付けて…。
本当にごめん。
だから…目を開けてくれ…。お願いだから…っ、」




Aの手を取り、握りしめる。

目には涙が浮かんでいる。





『…い…よ。』


さ「…A…?」


『もういいよ…。ありがとう…。』





今にも消え入りそうな声だった。


『みんな、本当にありがとう…。
みんなのおかげで幸せだった。
私がいなくなっても、ちゃんとご飯食べてね。
私のファンの子達のこともよろしくね。
それから…姉のことも。
ほんとに感謝してもしきれないよ…
私の分まで元気に強く生きてね。
ありがとう。
おやすみなさい。』

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作者名:sky | 作成日時:2019年11月7日 21時

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