恋煩い２【すとぷり】 (ページ23)

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バンドメンバーと合流し、最後の調整を行って円陣を組む。

これは最近聞いた話だけど、バンドメンバーが歌い手をはじめた時から固定なのは有名。でもこのバンドメンバー、ドラムとベースはAが高校時代にくんでいたバンドのメンバーらしく、今でも親友同士らしい。

Aがギターとボーカルで校内だけで活動していたんだけど、誰かがTwitterに文化祭の動画を投稿したらめちゃくちゃバズって、Aはもちろん、他メンバーも桁違いに上手かったから大手事務所からメジャーデビューの声がかかったんだけど、自分たちの趣味でやってるだけだからって断ったらしい。

みんなAに活動をすすめたのは自分達だからと、初めてワンマン開催が決定した時にバンドに名乗り出たらしい。

その2人は今でも報酬を拒否してまで出てくれてる。

当初から続けてきた3人だけの円陣では、今日は特別にメンバーへの感謝を述べる。

『2人とも、初めてワンマンをやった何年前だろ、5年前？かな？の今日から今日まで本当についてきてくれてありがとう。
ライブが好きすぎるがゆえに我儘とか、直前の変更とか、ほんとにごめん。笑

でもそれは2人じゃなかったら無理だったし、そんな2人がいたから毎回成功できたし、私も楽しいと思えるライブが出来ました。

今日は本当に最後だから、2人も遠慮せずに全力で楽しんでください！

今までありがとう！

っしゃ行くぞーーー！！！』

3人の女の子の叫び声が階段の踊り場に響く。

ちょっとした企み用のカメラの録画終了ボタンを押す。

そして開演への最後のカウントダウンがはじまった。