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ころんside






無事に大阪でのライブを終え、明日は遂にラストライブという日。





深夜2時。





編集やその他もろもろの作業を終え、水を飲んでから寝よう、

そう考えて部屋を出た。




暗い廊下に出ると、向かいの部屋のドアの下から光が漏れていた。




あいつまだ寝てないのか…?






ドアの前に立ち、手を軽く握る。


…トイレのノックは3回だっけ…?え?2回…?





そんなことを考えていた時







『ころん…?』




震える声で名前を呼ばれる。






こ「まだ寝てないの?入るよ?」



うん、という声を確認して静かにドアを開ける。





頬には無数の涙の跡があり、目が腫れている。


彼女は明日のライブの行程やセトリ、演出などが書かれた資料を握りしめてベッドに座っていた。



あの資料、作られてから何度も何度も確認していた。


食事中も、移動中も。





そんなに緊張してるのか。


いつも、ぶっつけ本番の方が楽しい!ってセトリだけ覚えてほぼ確認せずに臨んでるのに。

バンドメンバーは初ライブから固定だし、本当に仲良いみたいだからどんなハプニングがあってもむしろ楽しんで許してくれてるっぽいけど。




『怖い…。最後の最後にミスしたらどうしようとか…、歌詞飛んじゃったら…とか…』




ただ黙って聞いてあげることしか出来なかった。






『…一緒に、リビング行って欲しい…。部屋だと色々気になっちゃうから…寝れない。』






大きめの毛布を持って、手を繋いでゆっくりと階段を降りた。

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作者名:sky | 作成日時:2019年11月7日 21時

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