( そんなに近くにいれば、 ) ページ13
( そんなに近くにいれば、)
your side
どんっ
大きな衝撃とともに右肩にボールが当たった。
「いっ、」
高校時代、爆弾を抱えていた右肩、
あぁ、やばいかも、これ。
現役時代、何度も何度も練習中に感じてきた違和感を久しぶりに右肩に感じる。
背中を押されたように前のめりに倒れた私に、みんなが集まってくる。
「Aちゃんっ、大丈夫？！」
大谷さん
「A、どこ当たったか！！！」
宮西さん
「立てる？？あかん？？」
遥輝さん
「すいません、大丈夫っす笑」
すぐに膝立ちをして、へらりと笑ってみせる。
「ほんまに？ほんまに大丈夫なん？」
「言ったじゃなですか、自分元ソフト部っすよ笑」
手首にヒットしたデッドボールのが、ばり痛いです、
ああ、確かにあれは同じぐらい痛かった笑
「冷やしたほうがいいよ、医務室行こ、」
私を連れて行こうと大谷さんが手を引っ張る。
「いえいえ、アイシングぐらい自分でできますから…笑」
やんわりと手を退けようとしたとき、
"田中、危ないっ！！！！"
ベンチの近くで大きな声がして、同じような鈍い音がした。
ベンチ近くに人だかりができはじめる。
「え、なんかあったん？」
私たちもベンチの方に小走りで向かう。
「どうしたん？」
「田中さんに強烈な球が飛んできて、
それを庇った卓の腰に当たったみたい、」
鍵谷さんが説明してくれるけど、全然、嬉しくない、報告。
何より、卓が彩さんに覆いかぶさるように倒れていて、
卓を心配する彩さんも
彩さんを心配する卓も
2人を見るみんなの視線も自然で、何も違和感がなくて、
ああ、お似合いだな、と目をそらす。
そらした先で遥輝さんが、
自分の右肩を叩いて、首を傾げる。
遥輝さん優しいな〜ありがたいな〜
そんなことを思いながら笑顔で頷いて、
彩さんにも卓にも心配の声をかけることができずにグラウンドを後にした。
( やっぱり、わたしは弱い。 )
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イチゴミルクキャンディ - 切なくて、泣いてしまいました....。更新頑張ってください！応援してます！ (2017年8月10日 8時) (
レス) id: 0d36d453a8 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - 切なくて涙がとまりませんでした…たんさんの作品すごく大好きです。応援してます！更新頑張って下さい！ (2017年8月9日 7時) (レス) id: 305e1dd2a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちゃん(プロフ) - 一気に読みました。続きが気になります。。。 (2017年8月9日 3時) (レス) id: 25f87f55c8 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹 - すごく切なくて、心臓がきゅってなっちゃいました…。更新、頑張って下さい!まってます! (2017年8月8日 20時) (レス) id: f498594667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃央 | 作成日時：2017年8月8日 13時
