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不機嫌そう。 ページ22

あの角を曲がれば、Aの部屋。


そんなことを考えながら
ゆっくり歩いていると、




皆帆「ん?」

瞬木「あ?」



角を曲がった瞬間、
不機嫌そうな顔が目に入った。



皆帆「やぁ!不機嫌そうだね!」
瞬木「あぁ、お前が目の前にいるからな」

皆帆「相変わらずみたいだね、どうしたの?」


僕が聞くと
瞬木くんはチラッとAの部屋をみて


瞬木「別に」


と、小さな声で言った。




一瞬、Aのお見舞いに来たのかなって思ったけど
彼からは、森村さんが持ってきた

花の香りがしない。


あの花はとても匂いが強いから
一分だけ入ったとしても

すぐには取れないはず、


だから多分、お見舞いには行ってない。




皆帆「………あっ」
瞬木「なんだよ?」


いいことを思いついた。



皆帆「僕急に用事を思い出したよ」

瞬木「あっそ、だからなんだ」







皆帆「だからこれ、お願いしてもいい?」






僕が渡したのは
薬と水が入ったおぼん。



瞬木「は?やだよ面倒くさい」

眉間にシワをよせて断る彼を無視し
無理矢理おぼんを持たせた。




皆帆「お願いだよ、僕の用事は世界の危機に掛かっているんだ」
瞬木「もう少しマシな嘘つけば?」


皆帆「本当にありがとう!薬ちゃんと飲ませてね!」

瞬木「あっ!おいまて!!」



おぼんを押し付け返されないうちに
僕はさっさと廊下の角を曲がった。





瞬木「チッ」




角を曲がってすぐ停止すると
彼の大きな舌打ちが聞こえてきたけど、


すぐに扉が開く音と
閉まる音がした。




皆帆「行ったみたいだね」


僕がこうしたのには理由があった。






風邪をひいて得もあると言ったAの
お見舞いに唯一来てないのは彼だけだからだ。


もし、Aの言う『得』と言うのが
まだ来ていないのであれば




彼が、その『得』である可能性は高い。







皆帆「そうなのかい、A」

僕の小さな呟きは、誰にも聞こえない。

君の手。→←彼らしい。



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猪絢(プロフ) - *´`*さん» 幾らなんでも上から目線過ぎませんか?言い方気を付けましょうね^^; (2020年1月27日 3時) (レス) id: 262406d3d0 (このIDを非表示/違反報告)
*´`* - 早く続き投稿してください (2016年10月23日 14時) (レス) id: 4d99e796a0 (このIDを非表示/違反報告)
へっど。 - めっちゃ面白かったですが、続きがすごい気になります(*´˘`*) (2016年9月18日 15時) (レス) id: 8fe29adc13 (このIDを非表示/違反報告)
ち〜まる(プロフ) - 更新待機してます…!瞬木も皆帆兄妹も可愛いです…! (2015年5月8日 0時) (レス) id: 390ed6ff0f (このIDを非表示/違反報告)
八重桜(プロフ) - 更新待ってますぅぅo(*⌒―⌒*)o (2015年4月4日 3時) (レス) id: 13cda4bed2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひなた | 作成日時:2014年3月30日 19時

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