【イナギャラ】彼女に腕相撲で勝てない。【皆帆和人】 (ページ7)

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ますます。ページ7

僕が彼女を好きになったきっかけは、

ある日の練習の時、

いや、もしかしたら

それよりずっと前に

好きになっていたのかもしれない。

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あ「柔道って、面白いんだよ?」

顔に似合わない競技を
心の底から楽しんでいるような顔。

彼女が柔道の話をする時の顔、

それが僕が人一倍にみるのが好きなものだった。

最初は、ただの好奇心だと思っていた。

彼女の体系に現れない筋肉の作り
彼女の底知れない身体能力

それらに、気をとられてるだけだって。

でもそれは違った。

あ「皆帆くん、私とペア組まない?」

皆帆「えっ僕でいいのかい?女子のほうが……」

そういう僕に

Aさんは、こう言ったんだ。

あ「ううん、皆帆くんとしたいの」

その時の笑顔をみたときの自分の鼓動。

僕に怖がりながらも

僕に触れてくれて、
軽い準備運動をしたあとの満足感。

そして、

彼女を傍に感じたときの幸福。

それを組み合わせたものを推理すると、

皆帆「恋って言葉しか、出てこなかったんだよ」

僕が顎に手を当てて
野咲さんに言うと、

さくら「あらー、それは素敵ねーっ」

と、女子らしい反応をみせる。

真名部「貴方にも恋愛という言葉があるんですね」
皆帆「ねぇそれ失礼じゃないかい?」

僕だって

人に恋くらいするさ。

皆帆「ちなみに、彼女は何処に行ったの?」

井吹「多分自分の部屋だろ」

井吹くんが腕を組みながら適当にいう。
でも、それは妥当な考えかもね。

皆帆「僕の手にダメージはないね」

手を数回握ったり開いたりするけど
全然痛みとかはない。

だから負けたのにも気づかなかったんだけど。

彼女は僕の手に痛みが行かないように
多分手のひらにのみ力をいれて

指には一切力を加えなかった。

だから指の力で骨を折られることもなく、
手のひらで押されて負けた。

そこまで考えてあのスピードで勝つなんて、

皆帆「さすが地球最強」

ますます君が好きになった。