【イナギャラ】彼女に腕相撲で勝てない。【皆帆和人】 (ページ6)

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世界が逆さまになった。ページ6

鉄角「よーい……」

鉄角くんが、
僕とAさんの手を包むように持ち、
スタートの前ぶりをする。

彼が審判みたいだね。

僕が手に少し力をいれると
Aさんの手が

『ビクッ』と動く。

完全に怖がっているね。

皆帆「勝ったら正式に付き合ってもらうよ」

あ「うっうん……」

鉄角「スタートっ!!!」

彼の掛け声と共に
凄い爆音が聞こえて、

世界が逆さまになった。

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皆帆「えっ」

あ「ごっごめんなさーい……!!」

Aさんの声が遠くなる。

さっきまで手にあった
Aさんの感覚は無く。

みえるのは天井と
僕を見下ろすみんなの顔。

瞬木「ほーら、負けた」

彼の馬鹿にしたような声に
僕は酷く驚いた。

皆帆「えっ僕負けたの!?いつ!?」

さくら「一秒もしないうちに負けたわよ」
九坂「瞬殺っすね」

真名部「貴方は自分の推理力に頼り過ぎたようですね」

真名部くんの声を聞きながら
僕が床から体を起こし、

彼の話を聞いた。

真名部「人は限界を超えると、凄い力を出すんです」
皆帆「うん、それは知ってるよ」

真名部「それは恐怖も例外ではありません」

『現に、一般女性が
車の下敷きになった子供を助けようと
車を持ち上げたこともあるんです。』

真名部くんはそう言うと
ため息をついて続けた。

真名部「彼女の力を抜こうとしたんでしょうが………」

そう言って一旦間をおくと

真名部「恐怖を超えてしまったようですね」

『君の体ごと、吹き飛ばしましたよ』

と困ったように笑って言う。

皆帆「それを予想するのを忘れていたよ」

僕が肩を落とすと、
野咲さんが、僕の顔を覗き込んで

僕に聞いてきた。

　

　

　

さくら「なんでそこまでAが好きなの?」