仕事_98 ページ2
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男は立ち上がって漣の隣に並んだ。
和泉守「はぁ?!ならなんで刀持ったらいけねぇんだよ!」
大和守「問題ないんなら佩刀してもいいんじゃ…」
役人は力なく首を振る。
男1「問題なのは、見習いの身柄を確保する際、佩刀した貴殿方がその場にいることです」
Aはわけがわからず小首を傾げた。
男1「たとえどんなに見習いが悪くても、そこに刀を持った付喪神がいるだけで、非難の目は付喪神に向きます」
漣は苛立っているのか、僅かに顔をしかめる。
男1「貴殿方が無実だという捜査結果が出ても、武器が関わることで、それすら疑われてしまう。その時すべての責任を負わなければならないのは…あなたなんです。Aさん」
Aはようやく合点がいったようだった。
『あくまで、人間は人間の味方というわけか』
乱「そんな…」
厚「……」
役人は真実Aを守るために、彼らに無理な要求をしたのだ。
さすがの和泉守も、これには何も言い返せなかった。
この場合Aが負う責任とは、あまり良いものではないだろう。それも、自分らのせいで負わせてしまうのだ。
今剣「…Aがつらいおもいをするのは、いやです…」
三日月「うむ…」
鶴丸「なんとかなんねぇのか…」
皆が困惑する中、護衛の三振りは互いに視線だけで頷いた。
山姥切「俺たちは構わない」
『!』
愛染「ここは
明石「ほんまに丸腰で大丈夫なん?危なない?」
『そうだぞ、お前たちの身の安全が一番大事で…』
更に言い募ろうとしたAの肩に、にっかりが手を置く。
にっかり「一番大事なのは、“Aの”身の安全だよ」
『だが……でも…』
に「大丈夫。策がないわけじゃないさ」
愛「だから、皆は広間で待っててくれよ!Aは守るし、初代は捕まえる!」
蛍丸「……わかった、待ってる」
小夜「(コクコク」
三振りは漣に本体を渡した。
表情には出ていないが、漣は初めて持つ刀を興味津々に見つめている。
役人が本部に連絡し終えて結界の用意を始めたところで、にっかりが声をかけた。
男1「え、10分ですか?…大丈夫です。ちょうどその頃に結界も終わるだろうし」
にっかり「すまないね…山姥切くん、大丈夫だって」
山姥切「ああ…薬研」
薬「ん、どうした?旦那」
山姥「少し、頼みがある__」
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作者名:葛の葉 | 作成日時:2018年12月16日 16時