仕事_41 ページ24
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暫しの沈黙のあと、彼らは前とは違った反応を示した。
加州「あ、今日なんだ」
鶴丸「確かに、最初に全員と会っといたほうがいいだろうな」
獅子王「俺は出陣夜でいいぜ!見習いと話してみてぇし!」
ここ一週間で、見習いに対する悪い先入観はほとんどなくなっていたのだ。
今では心待ちにする者も少なくない。
『わかった。何かと忙しくなるだろうから、今のうちに出陣する者を決めておこう』
挙手により、今夜出陣するのは 薬研、堀川、獅子王、一期、三日月 の五名に決まった。
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A side
書類整理や見習い用の部屋の準備をしていると、あっという間に見習いが来る予定の時間になった。
『もうそろそろ来るな…』
乱「A、もしかして緊張してる?」
『緊張……?ああ、そうかもしれない』
蛍丸「Aも緊張なんてするんだ」
なぜだか少し嬉しそうにする者達を見て、私はそっと肩の力を抜いた。
考えすぎか。
今までに会った人間は政府など、私の正体を知っているものたちばかりで
今共に暮らしているのは人兼付喪神なわけで、まぁ要するに、完全なる人間との対面は久しぶりなのだ。
一応、私は“人間”としてここに来ているため、正体がばれるのはあまり宜しいことではない。
愛染「なぁ、見習いってどーやって来るんだ?」
『確か、政府がこんのすけと一緒に送ってくるはずだ』
だが実際、昔から、私たちの正体にうっすらと勘づく人間はいた。
会った瞬間「そなた人ではないだろう」とか言ってくる奴もいた。ちなみに聖徳太子だ。
見習いがそこまで鋭いとは考えにくいが、用心するに越したことはないだろう。
厚「お!!」
見習い「こ、こんにちわぁ」
両手でこんのすけを抱え、遠慮がちに門をくぐってきたのは。
見習い「あ、あれ、こんのすけ、ここであってるよねぇ?」
白い布を垂らしていて顔は見えない。
こんのすけ「はい!A様の御本丸でございます!」
年端もいかないような青年だった。
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作者名:葛の葉 | 作成日時:2018年5月17日 0時