王子様と女の子の日 (ページ3)

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忍足侑士の場合　３ページ3

【侑士Said】

このまま玄関でこいつ抱きしめてるわけにもいかんからとりあえずAを横抱きにしてAの部屋に行った。

あいつの部屋に来るのは久々や。
すこし片付けられたお世辞にも綺麗とはいえない部屋。

そっとAをベットに寝かせた。

｢なぁ…しんどいなら頼れ…｣

サラリと髪の毛を梳いているとAが目を覚ました。

『侑士…？…？あっ！』

ガバッと飛び起きたが、また倒れ込んでしまった。

｢大丈夫かいな…。まだしんどいんやろ？｣

とりあえず背中を撫ぜてやる

『だ、大丈夫…。』｢せや、さっき何か言いかけとったん教えて？｣

ビックリしたようにただでさえおっきい目を見開くA

『……笑わない？怒んない？引かない？』

｢うん。どんなAでも愛してるし、隠し事される方が辛いわぁ〜｣

ちょっと大袈裟に悲しいリアクションを取ればフフッと笑った。
やっぱ、笑顔の方が可愛ええわぁ〜

『あのね、中一の時に付き合ってた人がいたの。全く噂とかは流れなくて、まぁ、1ヶ月ぐらいで終わったからだろうけど笑侑士には隠してた事になるよね…。ごめんなさい！』

ぺこりと勢いよく頭を下げた。別に謝ることちゃうのに、律儀やな。まぁそういう所も好きなんやけどな。
知ってた。1ヶ月だけ付き合ってたやつがおったってことも、そいつが今になってAを狙ってることも。まぁ、絶対渡さんけどな。

『ええねん。今は俺の事が好きなんやろ？ならええねん』

｢ありがとう。今は侑士以外は興味ないよ笑で、彼と別れた原因ってのが私が重すぎるって事だったの。だから、次できた恋人には我儘もお願いもなるべくしないように、むしろ相手を困らせるぐらいならなるべく人と関わらない方が…って病んでた時期もあったの。でも、侑士が声をかけてくれた。ビックリした。学校一の美形集団こと男子テニス部R陣の一人から声かけられて…こうして恋人にまでなれて…心のどこかで罰ゲームなんじゃ…って思ってた笑次捨てられるのが怖かったからなるべく便利な子を演じてた。

って長々話したけど、さっき言いたかったのは

“我儘なんか言ったら嫌われそうで怖い。捨てられたら二度と立ち直れない気がする”

って言いたかったんだけど…この発言すら重いね笑あーだから嫌い。なんで女の子に生まれてきたんだろ…』

最後の方は独り言みたいにボソボソって呟いたけど、バッチし聞こえてるからな〜。
あかん…可愛すぎるわ…
でもな…わかってへんわ。