【立海】マネージャー拾いました。 ＋１＋

13 お見舞い ページ13

―――連れられてきたのは、大きな総合病院。

「あの…副部長？やっぱり幸村さんって…」

「……つい最近倒れてな…原因不明の病らしい」

本当に不安になってきた。

そんなチームが不安定な時期に、私が入っていったりなんかしたら、

ますますチームに支障が出るんじゃ…


「なんつー顔してんだよ！A」

するとブン太くんは、私の頬をギュッとつねった。

「痛ッ…！？」

「大丈夫っスよ、真田副部長みたいなのがもう１人いるってワケじゃあるまいし！」

「そんなんじゃったらやってられんぜよ」

「……どういうことだ、仁王…」

「プリッ」


――他愛もない会話をしながら、病棟を歩く。

そして、みんなは１つの病室の扉の前で立ち止まった。

き、緊張してきた…

「幸村、入るぞ」

部屋の中からは、「どうぞ」と声が聞こえてきた。


扉を開けると、みんなは慣れた様子で病室の中へ入って行く。

「し、失礼します…」

病室は一人部屋で、大きな窓からは外の景色がよく見える。

そのすぐそばのベッドの上には、すごく綺麗な男の人が腰掛けていた。

「今日もお疲れ様。……あれ？」

その人は私に気がつくと、ニコッと微笑んだ。

「今日は随分と可愛い子を連れているんだね」

「わ、私…篠沢Aと言います…！初めまして」

私はぎこちなくその人に向かって頭を下げた。

「こちらこそ初めまして。幸村精市です」

この人が幸村さん…

綺麗で、眩しくて、だけど儚い人だと思った。


「で、幸村。話があるんだが…」

14 拾いました。→←12 王者ですから

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す