【刀剣乱舞】独り消え逝く運命なら【勘違い成り代わり】

卍心の鍵二十四個目卍 ページ25

あの後すぐにお布団を引いて眠ってしまい現在朝の6時、水面からの光で目を覚ませば身体を伸ばし部屋を見回す
並べたお布団の隣で規則正しい寝息をたてるみぃちゃんに思わず笑みが零れた
今日は非番、寝間着から昨日のトレーナーに着替えてふと昨日お風呂に入っていないことを思い出す
...まぁ、こんな身体だし誰かに見られる時間には入れないけど

みぃちゃんがまだ眠っていることを横目で確認したあとお風呂に行くと書き置きを残し着替えを持って部屋を出た、汗や汚れを落とす程度だし大浴場じゃなく増設エリアにあるらしい小さめのお風呂に行こう...


髭｢...おや?君は新入りの｣


お風呂を目指して歩いているとお風呂から上がったらしい髭切さんと遭遇した、水滴の滴る髪を見ると風邪をひかないか心配になる


髭｢悪魔くん｣


｢白魔です｣


髭｢そうだったそうだった、今からお風呂?｣


問われた言葉に頷く、すると彼はふむ...と悩む仕草をした後僕を抱き上げて...ん?
抱き上げて?


髭｢小さめとはいえ君の身長はいささか心配だからね、一緒に入ろうか｣


｢あ、いえ僕そこまで小さくないです...髭切さんお風呂上がりじゃ｣


髭｢んー?ふふふっ｣


あ、ダメだこの人聞いてない
諦めたところでふと気付く、僕を抱き上げるその腕はかすかだけど震えていた
...そりゃそうだよね、彼からしたら自分と似た経験をした子供だもん
力になりたいけど拒絶されたらって思うと本当は怖くて仕方がないはず


｢...ありがとうございます｣


髭｢!...ふふ｣


似た経験を持っているのだとすれば、この身体を見ても多少は大丈夫だろうか...
いや、逆に昔を思い出させて苦しめてしまうんじゃ...
悶々と考えているあいだに到着した脱衣所で僕は何故か何から何までも髭切さんに面倒をみて頂いてしまっている


｢あの、自分で脱げますよ?｣


髭｢ありゃ、嫌かい?ここまで小さい子と触れ合うのは初めてだからね｣


テレビではこうやってたんだけどと零す彼にその番組はきっと育児系の番組なんだろうと察した、僕は小さいとは言っても小3くらいですぞっ


｢いや、というかはずかしい、というか...そんなに幼くないですよ?｣


髭｢ごめんね、でも僕からしたらまだまだ幼いよ｣


平安の刀からしたらそうでしょうとも、ずっとこのままなのもあれなのでもう全部おまかせしました
ネックウォーマーとアームウォーマーを外した時、やっぱり悲しそうな顔をしたけどそれも一瞬ですぐに笑顔で抱きしめてくれた

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