【刀剣乱舞】独り消え逝く運命なら【勘違い成り代わり】

卍心の鍵十一個目卍 ページ12

主「質問、しても大丈夫かな‍？」


何かを覚悟したらしいさにわさんは目線を合わせてそう言った、何を聞きたいのかは理解している
何故限定ドロップの僕が、傷だらけであんな場所にいたのか


「構いません」


主「じゃあ、一つ目･･･気分はどうかな‍？」


「悪くは無いですが、少し混乱しているようで落ち着きません」


主「そう、だよな･･･二つ目、何であんな場所に‍？」


･･･きた


「目が覚めた時暗い場所にいました、自分の身体しか見えない真っ暗な闇の中･･･怖くなって出口を探して歩き回って、ようやく視界が開けたかと思えばあの洞窟でした」


刀を拾ったとか言わない方が良さそうだから言わない、一応というかもう僕は刀剣男士になっていると思うからここで変に喋って本体を取り上げられるわけにはいかない
本体である刀を折られれば、僕は死ぬ


「その洞窟は血濡れで、状況を把握する暇もなく後ろから何者かに襲われました･･･咄嗟に反応して応戦しましたが、身体が上手く動かなくてあのざまに」


主「･･･まって、君は･･･誰かに顕現されたわけじゃないのか‍？」


「･･･わからないんです、僕が知っていることは今話したことが全てです」


主「･･･そうか」


それだけ言うと審神者さんは口元に手を当て何かを考え込んでいるようだった、その姿に思わず身構える
その構えが、あの人達と被る


「･･･ごめん、なさい･･･気に触ったのなら謝りますからっだから･･･っ」


不機嫌な時、逆に気持ちが悪いほど御機嫌な時･･･あの人達はその構えで僕を見下ろしていた
ニタリと恐ろしいほど瞳と口元を歪めながら
あの人達とこの人は違う、分かっている
違う、違うのに･･･身体はそんな事お構い無して震えてくる


「だから、叩かないで･･･要らないって、言わないで･･･消えろなんて言わないでっ」


愛してほしいなんて厚かましい事言わない、ただ存在することを許して欲しかった
ちゃんとあの人達の子供なんだと認識して欲しかった
いや違う、愛して欲しかった認めて欲しかった
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ


「っ･･･っぁ･･･は、っ」


苦しい、呼吸の仕方を忘れたかのようにうまく酸素を取り入れられない


乱「白雪!!」


主「白魔!!薬研、手を貸してくれ!!」


薄れゆく意識の中、周りの喧騒が何故か僕を安心させた

卍心の鍵十二個目卍→←卍心の鍵十個目卍

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す