卍葉月の名の意味卍 ページ17
「…葉月？」
ここにいるのは僕と葉月だけ、ならこの背中を包む暖かいものはそれ以外に考えられない
葉月は黙ったまま、ただ抱きついていた
「葉月？どうかしたのか？」
葉「…もう、呼んでくれるんだ…紅葉は友好的な神様なんだね」
先ほどまでとは違い弱々しい声で言う葉月、不思議に思い首だけ振り返る
顔を僕の背に当て、微かに震えているのを感じる
「…どうかした？震えてるけど」
葉「…なぁ、知ってる？葉月って八月って意味なんだよ…」
話が成立していない様に思えるが何か伝えたいことがあるのあろうから話を聞くことにした
葉月、夏の盛りで葉が麗しく生い茂っていることからそう呼ばれる期間
…それが一体何だというんだ…？
葉「俺の名前、変だろ？季節の名前なんて。他の兄弟は名前に数字があるのに俺にはない。」
抱きついている手に力が籠められる
その手を掴み話させると向かい合う
「…それが、どうかしたのか？君の名前が、葉月がどうしたっていうんだ？」
目を合わせて問うと葉月は俯く、かすかに見えたその瞳には零れんばかりの涙が溜められていた
葉「…神様に、愚痴るだけなら許されるかな…？…俺はさ、体が弱いんだ。生まれたころは長く生きれないって言われて、せめて死ぬ年の俺の生まれた夏までは生きていられるように願いを込めて…葉月なんだよ」
いきなり告げられたことに驚きを隠せない、何より変なところで子供らしくないことの答えがこんなに簡単な事だったとも思わなかった
長く生きられないから、周りとは違うから周りと一線ひていたのだろう
目の前にいる少年が、あの日であった大切な人と重なって見えた
葉「なんで、何だろう…なんで俺なんだろう…？他にもたくさん人がいるのに、なんでそんな中で俺がこんな…」
藁にも縋るという言葉のように僕の法被にしがみ付き静かに涙を流す
こんな小さな子供が抱えるには大きすぎる闇…
「…葉月、君は体が弱いだけでまだ持病はないんだよね？」
葉「え？…うん」
困惑したように首を傾げながらも問いに頷く
「…なら、僕を傍に置くといい…僕は祈刀、主の厄病を断ち切るのが役目だ。君を守りたい、連れて行ってくれないか？」
仕舞い込まれていても意味がないし、葉月が苦しまない様にできるだけのことはしたい
…きっと総司ならそれを望むはず
安定を置いていくことになるけどあの子なら大丈夫だろう、もう一人ではないのだから
これが僕が歴史から姿を消した理由
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刹那立夏(プロフ) - 励さん» コメントありがとうございます！はい、精進させていただきます！ね、ネタ切れになった場合はご容赦を…← (2016年4月16日 13時) (
レス) id: 53a9e6d731 (このIDを非表示/違反報告)
刹那立夏(プロフ) - 無しさん» コメントありがとうございます！お気に召さない点がございましたら是非教えてください、これからの作品の糧になりますので。よろしくお願いします。 (2016年4月16日 13時) (レス) id: 53a9e6d731 (このIDを非表示/違反報告)
励 - 励です。初めて書き込みします。更新楽しみです。応援してます。。。。。。。ではこれにて。 (2016年4月8日 15時) (レス) id: 03ce5070cc (このIDを非表示/違反報告)
無し - オリキャラが･･･ちょっとねぇ･･･ (2016年4月6日 16時) (レス) id: b8ecd8eab1 (このIDを非表示/違反報告)
刹那立夏(プロフ) - 山本太郎さん» ありがとうございます!!初めてです、そんなこと言われたの…すごく嬉しいです!! (2015年7月15日 0時) (レス) id: daca33add4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那立夏 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2015年5月26日 19時
