救済措置・二【原神】

05＿再会・三 ページ5

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『遅い』


遅すぎる。

私を一人部屋に置いていき、どこへ行ったのか分からんが、あれからもう1日が経つというのにモラクスが帰ってこない。

ベッドのふかふかさについうとうとしてしまい、二-三時間寝てしまった私も私だが、普通何も言わずにどこか行くか！？


『私が神じゃなかったら一日だって貴重なんだぞ…』


誰にも聞かれぬほどの小声で、そっと呟いた。


「ふん、これで今まで俺が一体どんな気持ちだったか分かったか？」

『っ！モ…』


未だベッドに寝転んだまま天井を眺めていれば、覗き込んだように現れるモラクスの顔に、一瞬ドキリとする。

そうだ、ふと旅がしたくなりモラクスの元を離れたあの日、私はモラクスに書き置き以外の何も残さなかった。


『帰って来なかったのは…私にそれを伝える為か』

「言っておくが、わざとじゃないぞ？昨日は俺も用事があったんだ。しかし思っていた以上に時間がかかってしまってな。朝になってしまったので、ついでに食事を買ってきた」

『む…』


何はともあれ、今のモラクスは怖くない。

不思議なほどにおどけているというか、わざわざ食事まで買ってきてくれたところを見ると、私が思っていたほど怒ってはないのかもしれない。

それとも昨日のあの怒りで消化してくれたのだろうか…。私からすれば万々歳な話である。

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