21_収穫・三 ページ33
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「満足したんなら鍾離に言われた品を買いに行こうぜ。そろそろ夜だし、店が閉まっちまうかも」
『そうだな…』
なんだか腑に落ちない感じはするけど、ここにいてはいつ鍾離に見つかるかも分からないし、何より人の家の扉に張り付いてる外国人とか、怪しさ満点だろう。
今はパイモンの言う通り、いい加減鍾離に言われた必要な物の数々を用意しに行こう。
「鍾離に任されたのって、お香用の霓裳花に、七つの凧、それからなんだっけ」
えっと……。
『…洗塵の鈴、晶蝶』
「そうそれだ!って、鍾離からもらったメモを見たな!?」
『み、見てないよ?』
そうは言いながらも、手に持った小さなメモを見られぬよう、平然を装って折り畳みつつポケットに仕舞おうとする。しかし、パイモンは何かに気付いたのか、あ!と声をあげた。
『うぇ、何』
「メモの裏にもまだ何か書いてあるぞ!えーと?儀式中の雑用係を雇う、それから木製の道具を頼む、あと永生香を購入…うわぁ…どれも面倒だぞ」
気付かない方が良かった…。と後悔しているパイモンだったが、気付かなかったとして、そんなことになれば鍾離からの信用を少し失うことになるだろうし。
というか、あの人の金銭感覚のおかげでどちらにせよ鍾離の側に着いて回る運命からは逃れられなかっただろうから、1人で行動できるのは寧ろいいかも。
モラの値切りだって自分の思うがままだと思えば…。
だが、時計の針は既に15時をさしている。
『(値切りの)時間ないな、いっそタルタリヤでも捕まえるか…いや、どこほっつき歩いてるかわからないし…』
「お、あれじゃないか?」
『ん?』
パイモンが視線を向ける方向を見てみると、そこには確かにタルタリヤの姿があった。見たところ、璃月の記念品ショップで品を眺めていたみたいだが、きっと暇を持て余しているんだろうな。
彼と関わる事で起こる面倒事の数々はごめんだけど、お金に気を使わなくなるのは割とありなのでは?
そんな考えに至った時、俺の足は自然とタルタリヤに向いていた。
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もぶ - たぬき印さん» うわあああ、返信ありがとうございます!!めちゃくちゃ面白いです!!!少しずつ明らかになってくの楽しみです...!!! (2022年9月10日 22時) (レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - もぶさん» ここまで見てくださってありがとうございます!これからも2人の関係は少しずつ深掘りしていく予定なので、引き続き楽しんでいただけると幸いです! (2022年9月9日 1時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
もぶ - うーーん、鐘離先生と夢主君の関係が好きぃ...お仕事頑張って下さい!!更新首を長くして待ってます!! (2022年9月8日 1時) (レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - はなさん» 2話投稿時には既に修正しておりました。恐らく更新による時差かと思います。ご迷惑おかけしました。 (2022年2月13日 16時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - オリジナルフラグたってますよ……! (2022年2月13日 4時) (レス) id: 1f4f011eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぬき印 | 作成日時:2022年2月12日 2時