18_段階・五 ページ29
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「納得したなら俺について来い。詳細は歩きながら話そう」
「よしっ、これで俺の橋渡しとしての役目は終わった。どう?なかなかの結果だろう?」
『紹介してくれた事には……感謝してる』
「あっはは、どういたしまして。さぁ、行くなら早くした方がいい。俺のことは気にしないで。ここで数杯頂いて…ついでに"箸"の使い方でも練習してるから」
『(箸…使えないんだ)』
瑠璃亭から出る間際、箸に苦戦するタルタリヤを一瞥してみると、本当に苦戦しているような様子に、思わず吹き出してしまいそうになる。
しかし、店の中で吹く訳にはいかず、かと言って外に出ても鍾離が待っている為なんとか飲み込む。
「…どうしたんだ?そんなへんな顔して、おいらと変顔対決がしたいのか?」
『ほ、ほんと…言わないで…。ふふ…ん"ん"……ふぅ…よし』
「旅人、"神が去った城"をその身で感じた後、璃月という"神のいる"地を訪れ、お前はどう感じた?」
『うぅん』
「…」
『璃月は貿易の国。俺はまだ学び足りていないことが多いけど、ルールという契約の元で、人々が平等に幸せになれるような社会構成が築き上げられているよね。神がいることでその結束がより強く感じる。絶対的に逆らえないというか…モンドよりも神に対する信仰度が高い気がする』
神の名の呼び方一つで何か言われるかもしれないというのだから、その信仰の仕方はかなり過激。おそらくは人々の間で勝手に始まったことなのだろうが…。
「そうか…神がいることが少し窮屈さに繋がっているのか…」
『…失言したなら』
「あぁ、いや構わない。この地は七国の中で最も繁栄している国であり、最も歴史の長い国でもある。きっと送仙儀式を通じて、旅人の見聞を広めてくれることだろう」
『思った事があるんだけど、ファデュイを野放しにしといていいの?公子も一応ファデュイの幹部なんだけど』
「璃月は、神の鎮座や七星の統治がある。それゆえ"ファデュイ"の外交手段の多くは、璃月では通用しない。七星の一人である凝光は常にファデュイを警戒しているからな」
『だから公子は"往生堂"の力を借りて仙体を?』
「うーん?送仙儀式は、公子にとって何のメリットがあるんだ?」
「それは知らないし、知りたくもない。俺にとってファデュイはあくまで資金源だ。俺の望みはただ璃月の伝統が人々に忘れられないことにある」
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もぶ - たぬき印さん» うわあああ、返信ありがとうございます!!めちゃくちゃ面白いです!!!少しずつ明らかになってくの楽しみです...!!! (2022年9月10日 22時) (レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - もぶさん» ここまで見てくださってありがとうございます!これからも2人の関係は少しずつ深掘りしていく予定なので、引き続き楽しんでいただけると幸いです! (2022年9月9日 1時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
もぶ - うーーん、鐘離先生と夢主君の関係が好きぃ...お仕事頑張って下さい!!更新首を長くして待ってます!! (2022年9月8日 1時) (レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - はなさん» 2話投稿時には既に修正しておりました。恐らく更新による時差かと思います。ご迷惑おかけしました。 (2022年2月13日 16時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - オリジナルフラグたってますよ……! (2022年2月13日 4時) (レス) id: 1f4f011eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぬき印 | 作成日時:2022年2月12日 2時