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17_段階・四 ページ28

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しばらく『』は"空"
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「俺なら、お前たちを岩王帝君の仙体に合わせられる」


そのタルタリヤの言葉に真っ先に反応したのはパイモンだったが、それよりも先に言葉を発したのは空だった。


『え、それ本当?』

「"天権"凝光の企みのせいで、岩神の仙体は隠されてしまったけど…まぁ、まずは鍾離先生の話を聞こう」

「…岩王帝君は仙人たちの祖だが、仙人の一人だ」


歴史を辿れば分かることではあるが、仙人とは必ず人々の元から去っていく傾向が紛れもない事実としてある。時代が変われば役目は終わり、人の時代こそが現実となるのだ。


「昔、仙人が去ると盛大な儀式が執り行われていた。それが璃月の伝統だ。しかし、今回の件については七星までもがその伝統を蔑ろにしている…見ていられない」

『でもそれは例を見ない…"神殺し"だから』


だから、今までのような盛大な儀式で送り出す事が出来ずにいるのではないか。という意見だった。


「そうだよ、真犯人も捕まってないし」

「神殺し事件…それについて"往生堂"は気になどしていない。"往生堂"が気にしているのは、仙人を迎える迎仙儀式が盛大に行われている反面、去った仙人を送る送仙儀式が放置されている。ただそれだけのこと…」


迎仙・送仙は二つで一つの儀式であり、一つが行われたならば、何があろうと最後まで成し遂げなければならない物だというのに、それが行われない。

仙人とは元々肉体を持たぬ存在であるから、人ごときに殺されるなど到底無理。

つまり、仙体を残しているからと言っても、中が去ったに過ぎない。どのような形であれ、去ったのだから儀式をせよ。そういうことである。


「旅人よ、"公子"殿からお前のことを聞いた。お前は風神の友人なのだろう…俺と共に、岩神を送る儀式の準備をしてくれないか?」

『事情は分かったし、俺に話が来るのも筋は通ってる。でも、少し考えないと…』


空も、これ以上の良作が無いのは理解していた。亡骸であろうと、姿さえ見られれば、それが妹を攫った神であるかの区別くらい出来るはずだと思ったのだ。

今、仙体を見ることすら禁じられているのなら、公的に送仙儀式を行い、否が応でも群衆の目前に仙体を運び込ませる。


「これ以上考えても結果は同じだと思うよ」

「もし、無地七神を訪ねたいのなら、この方法が最善だろうな」

『うん、確かに。これしか方法はないみたいだ』

18_段階・五→←11_後書き



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もぶ - たぬき印さん» うわあああ、返信ありがとうございます!!めちゃくちゃ面白いです!!!少しずつ明らかになってくの楽しみです...!!! (2022年9月10日 22時) (レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - もぶさん» ここまで見てくださってありがとうございます!これからも2人の関係は少しずつ深掘りしていく予定なので、引き続き楽しんでいただけると幸いです! (2022年9月9日 1時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
もぶ - うーーん、鐘離先生と夢主君の関係が好きぃ...お仕事頑張って下さい!!更新首を長くして待ってます!! (2022年9月8日 1時) (レス) id: 3fdbb0f866 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき印(プロフ) - はなさん» 2話投稿時には既に修正しておりました。恐らく更新による時差かと思います。ご迷惑おかけしました。 (2022年2月13日 16時) (レス) id: e020d55359 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - オリジナルフラグたってますよ……! (2022年2月13日 4時) (レス) id: 1f4f011eda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たぬき印 | 作成日時:2022年2月12日 2時

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