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「俺のぐんぐんヨーグルトは貰われへん言うた癖に」
「乳製品アレルギーやって言うたやん！」
「普通貰うやろ！自分飲めんでも誰かにあげたらええやん！！」
「誰かに貰ったものを他にあげるとか失礼やん！！」
「貰わへんのも失礼や！！！」
「なんやと！！！」
侑は何に怒ってんのやろうか。
せやから昨日侑から渡すように言うたのに。
「侑、野口さんが言う事は最もや。大体、ファンの差し入れを断る奴が何言うてんねん」
「うぐ、や、でも差し入れはこう、あんまり良くないものが入ってるからで……」
「それにアレルギーやって言われて断られたんやろ？なら別の渡せばええだけやったやん」
「ぐ、、、、」
正論パンチをお見舞いすれば黙る侑。
野口さんはそんなやりとりを見ながらジュージューとゼリーを飲んでいた。
……この子はこの子でマイペースやな。
「ちょっと貧血マシになった気します、北さんありがとうございます」
「そんなすぐに良くはならへんよ、ちゃんと朝ごはん食べてるか？」
「いえ、今日はあんまり、食欲なくて……」
「余計に倒れるやろ、ちゃんと食べなあかんよ」
「はい……」
シュン、と落ち込む野口さんの頭をポンポンと叩いてから「ゼリーくらいなら入るやろ」と言えば「明日からこれ毎日買います」と宣言されたので少し笑ってしまった。
二人に別れを告げて教室へと戻る途中、アランと出くわした。
「侑のところか？」
「昨日のゼリー届けて来たところや」
「珍しいな、信介が自分で届けるの」
「……そういや、手渡しは初めてやな」
侑が体調を悪くした時も、他の奴が風邪気味の時もビニールに付箋を付けて置いていく、という事はしたが直接手渡しするのは初めてだ。
「可愛いんか？」
「せやなぁ……」
拝んだり怒ったり笑ったり落ち込んだりいきなりゼリー飲み出したり。
見ていて飽きない子だ。
「面白い子やなぁ」
もう少し話したいと思うくらいには気に入っているのかもしれない。
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作者名：Ryu | 作成日時：2020年7月9日 13時
