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北Side
「野口さん大丈夫そうやったか？」
翌日の部活後、侑にそう尋ねた。
昨日保健室で見た彼女は最初に会った時より青白くてまだ体調が優れなかったのだろう。
今日は会えていないので同じクラスの侑に聞いてみた。
「……休んでました」
「そうか、まだ体調悪そうやったもんな」
「……」
侑が居心地の悪そうな顔をする。
自分のせいで休んだかもとか考えてんやろなぁ。
まぁ、あの子が「お前のせいやぞ！」とか、侑にそう言うとは思えんけど。
「そんな気になるんなら明日これ渡しとき」
そう言って飲むゼリーの鉄分入りを数個侑に渡す。
が、返された。
「北さんのがあいつは喜ぶと思うんで」
「……なら明日野口さんが学校来てたら教えてくれるか？」
コクリと頷く侑を見てから着替えて帰宅。
翌日「学校、来てました」とだけ侑から連絡があり早々に教室を尋ねることにした。
「野口さんおる？」
適当に近くの子に聞けば恐る恐る指を指した場所に野口さんと、その目の前に眉間に皺を寄せ仁王立ちする侑の姿があった。
何してんねん侑は。
「せやからもう大丈夫やって！」
「お前そればっかやん！また倒れても俺が困るんやて！！！」
「あの時はたまたま調子が良くなかっただけだし、今はただ机に突っ伏してただけやって」
「青白いんじゃ顔が！！」
「だれがお化けじゃ！！元々貧血気味なだけや！！！」
「お化けなんて一言も言うとらんわ！！！」
どうやら教室内で言い争っているらしい。
話を聞いている限りでは野口さんがたまたま机に突っ伏してたところを見た侑が具合悪いと勘違いしてまた保健室に連れて行こうとした……って感じやろな。
「侑、何してんねん」
「き、北さん……！」
「野口さん、もう体調は大丈夫か？これ飲み」
「え、これもらってもいいんですか？？？」
飲むゼリーの鉄分入りを渡せば嬉しそうに笑った野口さん。
侑はそれを見てさらに眉間に皺を寄せた。
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作者名：Ryu | 作成日時：2020年7月9日 13時
