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「おいツム何してんねん……あぁ、例の子か」
ひょこっと教室にやって来たのは治だ。
モグモグとカロリーメイトを口いっぱい頬張っている。
口の周り汚いでお前。
「せやサム、お前もコイツに部活見に来るよう言えや！」
「そんなの北さんが見に来て言うてたって言ったら一発やないの？」
「それじゃなんかあかんねん！」
ほんまわかっとらんなコイツ！
北さんが来てな言うたら行くに決まってるやろ！！！
この女北さん見て拝んでんねんで？？？
サムとの言い合いの途中、また女が机に突っ伏した。
なんや急に、と思って見れば顔が真っ青だ。
「……どうしたんや」
「さっきから貧血でクラクラしてて、大声出したら急に気持ち悪くなった……」
「はよ言えや！保健室行くで！」
腕を掴んで立ち上がらせ、コイツのカバンは治に持たせて教室を出る。
ぐらつく体を肩を持って支えて、保健室へと急ぐ。
「え、あ、ちょ、急に立たせたから、吐くって」
「あーもう面倒くさいな！黙ってろや！」
「ちょ、まじで、動かさないで、」
腹が立って膝裏と背中に手を入れて横抱きにする。
治が後ろで「おぉ、お姫様抱っこや」と言ったのが聞こえたが無視をした。
「ちょ、まって、おねがい」
「はよ保健室行ったほうがええやろ」
バタバタと廊下を走る。
顔色くそ悪いな、早よ行かんと。
「だから、うぐ、」
両手で口を覆った。
おいおいまてまて！！！！
「おい、ちょ、待てって……あああああああ！！」
げろ、と盛大に吐かれながらも慌てて保健室へと走り出した。
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作者名：Ryu | 作成日時：2020年7月9日 13時
