【HQ】私は北さんが好きなんです！！ (ページ12)

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ASide

朝ごはんの飲むゼリーを吸いながら教室に入ると宮侑がいきなり話しかけてきた。

「これ、なんか色々悪かったなぁ」
「え、別に何もされてへんけど」
「今までのお詫びや」
「はぁ……？」

がさりと渡された袋の中にはチョコレートやら飴やらが入っていた。
あまり見かけないお菓子たちにテンションが一気に上がる。
お詫びと言って渡しては来たが、むしろ宮ツインズの片割れに向かって吐いてしまっているのでお詫びをするのは私の方なのだが。

「いや、お詫びするのは私の方やろ……その、吐いたし、」
「吐かせたのは俺やし、野口さんは何にも悪ないって」
「でもこんな貰う必要もないし」
「あーもーうっさいわ！！！いいから貰っとけや！！！」

相変わらず暴君というか、何というか。
ありがとう、と言えば「最初から素直にそう言えばええのに」とブツブツと小言を言いながらも自分の席へと戻っていく宮侑。
せっかくもらったんだし、とチョコレートを取り出すとモグモグと食べ始めた。
あれ、これもだけど他のお菓子も鉄分入りのばかりだ。
貧血の件、気にしてくれたのだろうか。
ちょっと嬉しくなりフフ、と笑った。

昼。

購買から戻って早々に宮侑を探した。

流石に貰いっぱなしでは私の気が済まないので購買でしか買えないプリンを買ったのだ。
このプリン、安いながらに超美味しい。
が、教室にはいない。
仕方なく他のクラスにも顔を出してみると治のクラスの中心に侑がどかりと座っていた。
どうやら治はいないようだ。

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