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宮侑side
「なぁ、あれ……」
3チームに分かれてのゲームが終わり、ふと角名が指をさす方を見る。
と、何かを拝むようにしてから帰っていく変な女が目に入った。
「なんやあれ、何拝んでんねん」
「こっちむいて！」「ピースして」という団扇を持った女達はよく見たが、拝んでるやつなんて見たことあらへん。
なんや神様か地蔵様でもおったんか？
「侑同じクラスの子やろ？」
「せやけど話した事あれへんわ」
「お前大概話したことないじゃんw」
そう言って来る角名を適当にあしらいながら片付けをしつつあの女が拝んでいた方角を見直す。
……そういや、この辺に得点板があったな？
俺のチームが勝ったんがそんな嬉しかったんか？
「あの子キャーキャー言うどころか試合ほとんど見てなかったけど」
「は？何しに来てん？」
「隣にいつも侑と治見に来る子がいたから、たまたま付いて来たんじゃない？」
そういやよく見に来ている女が一人隣におったな、と思い返す。
「キャーキャー言わず何しててん？」
「スマホ見て天を仰いでたけど」
角名が暇だからと得点板をめくりながらその女の奇行を見ていたのだと言う。
ちょいちょい得点入れ忘れて北さんに怒られとったんはそれが原因か。
「明日も来るかな、侑聞いといてよ」
「嫌やめんどくさい」
「だって珍しいじゃん、ちょっと面白そうだし」
確かに、ちょっと面白そうではあるがもしこれが自分目当てであれば非常にめんどくさい。
キャーキャー言われるのは嫌いやないけどうるさいのは嫌いやし、でもファンがおったほうが強豪校のそれっぽいやんか。
「嫌や言うてるやろ」
「侑がジャンケンで負けたら聞いといて」
「勝ったら肉まん2個やで」
手をぐるぐると回しながら戦闘態勢を整える。
デラックス肉まん食いたいし！！
最初はぐー、ジャンケン！！
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作者名：Ryu | 作成日時：2020年7月9日 13時
