【HQ】無表情マネちゃん（稲荷崎の場合）

1年生、秋 ページ7

稲荷崎バレー部で初めての合宿。
日中はまだまだ暑いが夜は涼しい、そんな時期に土日を使って2泊3日で行われるのがいつもの事なんだとか。


「え、ごはんはマネージャーが作るんですか？」
「だからごはん作りに度々抜けるし、そん時は1年がマネージャーのフォローしたってな」
「「うす」」


結局その後新しいマネージャーは入ること無く、Aさんが一人で大人数のフォローをしている。

仮入部期間中のマネージャー希望者に優しくするのはたった一人でも残る人がいて欲しい、そうすれば合宿中1年生も練習に打ち込めるからとそう言った思いがあっての事だと言うのは割と最近になって3年生に聞かされたことだ。

去年は1人怪我で選手をリタイアした男のマネージャーがいたようだが卒業してしまったため一人でやっているのだという。

何度か勧誘をしたが下心丸出しの女性マネージャーが多く、今回の出来事がきっかけで来年は仮入部をさせるというのも無くすようだと言っていた。

まぁ、そもそもマネージャのいないバレー部だってあるわけだし、部員が困るような人間に入られるよりはマシなのだろう。



「私これから抜けるから、1年生よろしくね」



17時、昼は各自で持ってきた弁当で済ませたので夕飯からAさんの作るごはんを食べられると言うこともああり1年生に限らず2・3年生もソワソワしていたが、Aさんからのその一言でワッと期待の声が聞こえた。

なんや、そんな美味いんやろか。





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