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何億分の一 57 ページ8

あれからドラマの現場でもとっても気が楽や。

訳ありのことを知ってる人が一人いるだけでこんなにも楽チンになるんやな。


「おはよーございます」

「おー!おはよ今日もよろしくな」


松岡くんは優しいし撮影も順調、なんなら僕の演技だって褒められまくってる…なんだか擽ったい。


「ところでさぁ…ホントのところお前藤井とどうなってんの?」

「ぶっ!!な、なんですか唐突に!」

「いや付き合ってんのかなぁと」

「…つ…付き合ってって…」

「藤井はお前に夢中みたいだけど、お前はどうなの?」

「ぼ…僕も好きです…流星さんの事」

「ふうん…なら良かったな」




爽やかな松岡くんの笑顔にドキっとしつつも丁度呼ばれてしまったのでそこで会話は終了。


やっぱ…あれかな?応援してるぞ的な感じで見ててくれるんかな?

だったら更に心強い。





「お疲れさん」

「あ…お疲れ様です!」


ドラマ撮りが終わるとどこでどう聞いてきたのか、流星さんが待っている。
その度に松岡くんに茶化されるけれど流星さんは顔色ひとつ変えない…ホンマに綺…じゃなくて度胸が座っとる。


「あ…あの流星さん毎日迎えに来てくれなくても大丈夫ですよ」

「ええの…好きでやっとるんやから、それに俺が来た方が照史や淳太やって安心するし」

「けど流星さんが疲れちゃいますよ」




「…もは」

「え?」

「俺が来ない方がええ?」


なに??何言ってんのこの人?うわぁ…目なんか○ませちゃって、完璧に捨てられた仔犬感丸出しなんやけど。(なりは大型犬やけどね)


「そ、そんな事ないです!来てもらえたら嬉しいし」

「けど…」


うわっ…もう耳とかしっぽとか見えちゃってるんですけど。


「ああ…もう!流星さんが迎えに来てくれたら嬉しいに決まってるじゃないですか!!」

「ホンマに??」

「ホンマにホンマです!」

「よかった…じゃ明日も来るな」

「…え?」



なんだか…僕…上手い事流星さん○○せられたんかな?


「今日も俺ん家行こうな…とも」


あ〜あニコニコしちゃって…まぁ流星さんがこんなに喜ぶならそれも有りかな。


僕自身もかなり流星さんに甘くなっとる気がするけど…こんな顔がみれるならそれもよしかな?


「うん…それに、今日は月がとても綺麗ですからね」


何だか急に流星さんが赤くなったかと思うと、するり指が絡んできた。



まぁたまには…いいよね恋人繋ぎもね。

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作者名:rik | 作成日時:2019年11月17日 18時

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