32 side丸 ページ38
急に僕の身体から離れたともくんが走り出す……行き先は恐らく淳太の書斎やろうな。
追いかけてゆっくりと扉を開ければ、封筒の束をもって机の前に立ち尽くすともくんの姿。
ぐしゃりとその束を握りつぶすと…ともくんの手元をすり抜け、バサバサと足元に広がった…それは紛れもなく父親からの手紙やろう。
「…っ」
その真ん中で静かに涙を流すともくんの顔色は…落ちている手紙に負けないくらい、真っ白やったなぁ。
「見てなかったん？」
「…ぁ………」
見上げたその顔は『なんでなん？』って今にも僕に詰めよってきそうやった。
「わからんよ…僕には…なんも言えんし…ただ…淳太はお金持ちで……僕らとは違う世界の人間なんやって事は言えるな」
キッて鋭くなった瞳は『お前も変わりないやろ…』って酷く挑戦的に光っとった。
だから僕は慌てて弁解さして貰ったんや。
「僕？……僕は違うで…施設育ちやからな」
「…ぇ」
「ともくんと同じ普通の人間やねん」
ふんわりと笑うとゆっくり近寄って頭を撫でた。
「せやから…いつでも頼ってええよ…ともくんの気持ちは…僕が１番分かってあげられると思うねん」
「…ﾋｯｸ…ぅ…」
険のある表情から一変して眉毛が下がり、
睫毛がフルリって揺れた…いつものともくんの泣きそうな困った顔や。
いや……正確には泣いていたな…。
「ぁ………た」
「お父さんに会いたいんか？」
ボロボロと泣きながら何度も頷くともくんを連れてそのまま家をでた。
「この子の父親なんですけど、面会できますか？」
そう言うと簡単に通してもらえた。
真っ白な四角い台に乗せられて、白い布をかけられて…物を言わない父親はひっそりと横たわっている。
父親の遺体を前にしても先程とは違ってひとつも涙を流さないともくんが…かえって痛々しくてこっちが泣きそうになった。
事件性がないっていうことで、そのまま焼いたら遺骨は返してくれるっていう話らしかった。
そこまで…ともくんになんの相談もなしにどんどん話が進んでるんや…。
遺品は家族が持っていってもいい…ってかなり甘い事を言われたのは、きっと僕が丸山隆平だからなんだろうな…と今更ながら養父の力の大きさに敬服や。
遺品の中にあった本の間にこっそりと挟んであった手紙は、ともくんに見つからないように回収した。
バタバタと急に外が賑やかになり、部屋の扉が乱暴に開けられる。
「とも…」
案の定、そこに居ったのは息を切らした淳太やった。
「どうして…なんで丸山くんが…」
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rik(プロフ) - 神ちゃんがホンマの神様さん» ひぇ！！ありがとうございます！そんな所を間違えるなんて…ご指摘ありがとうございました！治しましたー (2018年1月31日 19時) (
レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃんがホンマの神様 - １０話のとも「自身」が「自信」になってますよ〜。口出しすみません。m(__)m (2018年1月31日 18時) (レス) id: 381c1a5a57 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - Kananさん、大好物ですか？（笑）よかった！！好きと言ってくださってありがとうございます(^-^)嬉しい！頑張って面白いものにしたいと思います！次からも宜しくです。 (2018年1月26日 17時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
Kanan(プロフ) - ありがとうございますありがとうございます（涙）大好物の予感しかしません( ´∀｀)rikさんの作品全部大好きです！ (2018年1月26日 14時) (レス) id: 087bd927e3 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - 神さん» 神さん！ありがとうございます。好きなコンビですか！！神さんをガッカリさせないように頑張りますね！これからもよろしくお願いします(^-^) (2018年1月26日 13時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rik
| 作成日時：2018年1月25日 17時
