20 ページ26
「社長に面会したいという方がお見えですが…」
毎度毎度受付からかかってくる内線…小瀧はどこ行ったんや。
「アポない奴は全部断っておいてくれと言ったはずやけど」
自然と口調もキツくなる。
安田くんの社内報に載ったお陰で自身の顔が売れて、仕事関連の取っ掛りは随分と楽にはなった…が、その代わり面倒な事も増えてきた。
毎日毎日自分を目当てに(中にはともの連絡先を教えろというとんでもない奴も居ったが)用もないのに訪ねてくる輩が後を絶たない…ひと目顔を見たくて…なんて言うバカバカしい奴らもいて正直辟易していた。
これも一種の有名税…ちゅうやつやろうか？
「ですが…その」
珍しくハキハキとした受付嬢が言葉をにごした。
「ん…なんや面倒くさい奴なんか？警備員そっちに向かわせよか？」
「いえ…実はですね、自分はともの父親だから会わせろと言うお方がいらっしゃいまして…お断りはしたのですが、なに分…ともさまの事なので…社長の耳に入れておいた方がよいかと思いまして…今、目の前にいらっしゃって自分が来たことを伝えるだけ伝えてくれとおっしゃってます」
「そうか、わかった…では来客室へ通してくれ、そうだなBへ通しておいてくれ、すぐ行く」
「承知いたしました」
内線を切ると急いで来客室に向かった、途中僕の様子を見て何事かと焦った小瀧があとをついてきた。
「こんにちは、ご無沙汰しております」
目の前に座っているみすぼらしい男は間違いなくともの父親や…あれだけお金を渡したというのに、服のひとつも買っておらんのか？
「これは一体どういうことなのか説明して貰いに来ました」
手には安田くんの会社のパンフレット…。
ははぁ…ともを勝手に働かせたからギャラでも払えという魂胆か。
「すみません勝手な真似をして、こちらの分のギャランティは別途お支払い致しますので」
「そういう事を言っとるんやない、もうダメやアンタには預けておけん、私にともを返して頂きたい」
「そんな！僕は貴方にキチンとお金をお支払いしたはずやのに」
そう言うとガサガサと上着のポケットから封筒を出し僕の目の前に置いた。
それは…僕があの夜この男に渡したもの…。
おかしな事に見る限りそれは減ってはいなかった。
「お金はお返しします…お願いですから、ともを…ともを私に返してください」
そう言って目の前で頭をさげる。
頼まれて「はい、そうですか」と返せるもんやない…もう、僕はともの居らん生活なんて考えられへんのや。
どうしたらともをこの男に渡さずに済むんや……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 478人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rik(プロフ) - 神ちゃんがホンマの神様さん» ひぇ！！ありがとうございます！そんな所を間違えるなんて…ご指摘ありがとうございました！治しましたー (2018年1月31日 19時) (
レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
神ちゃんがホンマの神様 - １０話のとも「自身」が「自信」になってますよ〜。口出しすみません。m(__)m (2018年1月31日 18時) (レス) id: 381c1a5a57 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - Kananさん、大好物ですか？（笑）よかった！！好きと言ってくださってありがとうございます(^-^)嬉しい！頑張って面白いものにしたいと思います！次からも宜しくです。 (2018年1月26日 17時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
Kanan(プロフ) - ありがとうございますありがとうございます（涙）大好物の予感しかしません( ´∀｀)rikさんの作品全部大好きです！ (2018年1月26日 14時) (レス) id: 087bd927e3 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - 神さん» 神さん！ありがとうございます。好きなコンビですか！！神さんをガッカリさせないように頑張りますね！これからもよろしくお願いします(^-^) (2018年1月26日 13時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rik
| 作成日時：2018年1月25日 17時
