いつか王子さまが 2 ページ21
「小瀧…ちょっと」
神ちゃんと距離を置くようになって暫くしたある日、僕は桐山くんに呼び出された。
呼ばれた部屋に入ると奥の方に淳太くんが座っとった。
「何か…用すか？」
「なんで最近神ちゃんの隣に居らんの？」
「は？」
「ケンカでもした？」
なんなん？唐突に…側に行けなくなったんはアンタらのせいですけど…っていう言葉を既のところで飲み込んだ。
だって、中間くんの顔がとても悲しそうだったから…。
「…だって」
「寂しがっとるよ」
「あ…」
「あ？」
「アンタらには関係の無い事や」
どうしてだろう…桐山くんに言われて素直に従えなかった…僕と神ちゃんの関係に口を挟まれるのが…すごく嫌だったから。
誰も構わないで欲しいのに…僕と神ちゃんの気持ちの問題やのに…。
そのまま二人を置いて部屋を出た…神ちゃん…せや、神ちゃんを探さんと…今日はまだ一度も神ちゃんの顔を見てないんや。
「…あっ」
丁度レッスン場の入口から入ってくる神ちゃんの姿が見えた。
「神ちゃん！」
嬉しそうに駆け寄ると神ちゃんは一瞬驚いたように顔を上げ…それからすこし寂しそうに笑った。
「今日な…ダメやった…僕…落ちてもうたわ」
それがオーディションの話だって気付くまでに数秒かかったけど、神ちゃんのがっかりした様子はホンマに辛くて思わず涙が出てきてしまった。
「僕のために泣いてくれるん？のんちゃんは優しい子やなぁ」
そう言って頭を撫でてくれるもんだからますます涙は止まらなくなった。
神ちゃんの身長を追い越してしまった大きい僕の頭を、腕を伸ばしてなでてくれる神ちゃん…。
そのひと回り小さな身体を思わず抱き寄せて腕のなかに納めた。
「…っ…やだ…離してや」
「神ちゃん…」
「やっ！嫌や！！」
腕の中で抵抗をみせる神ちゃんの身体を押さえつけるように再び強く抱きしめた。
「…ややっ！！辞めて離して」
「なんで…神ちゃん？」
「誰か…」
ブルブルと震えて泣き出した神ちゃん…なんで？そんなに俺の事嫌いなん？
「…かみ…」
「神ちゃん！！望なにやっとんねん」
「え？」
バタバタと現れた淳太くん達にあっという間に神ちゃんを奪われてしまった。
「じゅ…たく…」
「大丈夫…大丈夫やから…」
淳太くんは泣いている神ちゃんを抱きしめて頭を撫でて…僕は照史くんに引っ張り出されてお説教…なんなん？いったい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 918人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rik(プロフ) - なで肩笑窪ちゃんさん» すごく返事遅れてますねすみません。設定のページの1番さ下の方のR18の規制を外せば読めると思います。18歳以上でしたら！ (2019年8月18日 22時) (
レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
なで肩笑窪ちゃん(プロフ) - 可愛い詰め合わせはどーやったら読めますか？ (2019年5月17日 22時) (レス) id: c89a82c1eb (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - ちょろびんさん» いつも読んでくださってありがとうございます！Twitterの方なんですがフォローして下さるそうでありがとうございます！一応鍵垢のみフォロー許可を出しております、デリケートなジャンルなので怖々やってますので！よろしくお願いします！！ (2019年5月16日 0時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
ちょろびん(プロフ) - こんにちは！いつも更新を毎回楽しみにしています！Twitterでも楽しめたらと思いTwitterのフォローしました！ よろしくお願いします！ (2019年5月15日 20時) (レス) id: 4183493b76 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - yukiさん» コメントありがとうございます！ラブラブりゅかみ！いつも、目指しているのでがんばります！よく横道に逸れますが生暖かい目で見守ってあげてやって下さい。 (2018年4月24日 20時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rik
| 作成日時：2018年3月30日 18時
