恋の詩 前編 ページ7
「え……と、職員室」
広い構内…高等部の校舎ってこんなに広かったんだ。
高等部へのお使いに張り切って手を挙げて名乗り出たものの、迷路みたいな校舎でさっそく迷子になった。
場所を聞こうにも高校生は大きくて怖そうな上に、忙しそうだし…どうしてよいかわからない。
濱ちゃんに会えたらいいな…という希望的観測の下心ありで手を挙げてしまった僕への罰なのかな…。
勇気を出して誰かに職員室の場所を聞こうと思ったのは体育館から校舎へ向かう連絡通路…幸い向こうから団体さんも向かってくる。
やっぱり高校生は大人っぽい…女の人なんてみんなメイクしていてとても綺麗。
ほらあの人も凄く美人さん…あんな人が沢山いるんだったらほんとに不安。
濱ちゃんは僕だけって、言うてくれとるけど…やっぱり不安。
だってまだ正式にお付き合いとか、しとるわけやないから。
「違うやろ〜」
ぜったい聞き間違えることのない、聞きたかった声。
急いで振り向くとこちらに向かってくる団体さんの中に濱ちゃんの顔があった。
「…は…」
「好きやない!お前みたいなんは好きやない言うとうやろ」
「照れない照れない、お似合いやで濱ちゃん」
「んもーお前離れろや!」
思わず柱の影に身を隠してしまった。
「濱ちゃん…腕組まれてた」
綺麗な女子高生はさも当たり前のように濱田の隣に立ち、濱田の腕に手を絡ませて笑顔で会話をしていた。
真っ赤な口紅が凄く似合ってて濱田の隣に立っていても全然見劣りはしない。
そうや…濱田はモテるんやった…。
「…ふは…キッつい現実」
毎日のように来るLINEだって社交辞令かもしれない…あのキスだって終わった後「ごめんね」って言った。
なんのゴメンね…やったんやろ。
柱に体重を預けズルズルとしゃがみこむ僕…ホンマにみっともないな。
「どうしたの?君…中等部の子やね?」
「…あ」
「高等部に何か用があるんやないの?」
顔を上げると綺麗な綺麗な顔がそこに…中間先輩や。
「あ、あの僕職員室を探してて」
「ああ…それで迷子になったんやね?職員室はC棟にあるからここやないよ、おいで案内したるよ」
そう言って差し出された手…おずおずと自分の手を重ねると、グイと引き摺りあげてくれる。
「あ、ありがとうございます」
「そんなんええんよ、ついでやから」
優しい中間先輩について校舎を横切ってゆく。
ああ…高等部でもやっぱり中間先輩は素敵でみんなの注目の的やった。
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rik(プロフ) - なで肩笑窪ちゃんさん» すごく返事遅れてますねすみません。設定のページの1番さ下の方のR18の規制を外せば読めると思います。18歳以上でしたら! (2019年8月18日 22時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
なで肩笑窪ちゃん(プロフ) - 可愛い詰め合わせはどーやったら読めますか? (2019年5月17日 22時) (レス) id: c89a82c1eb (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - ちょろびんさん» いつも読んでくださってありがとうございます!Twitterの方なんですがフォローして下さるそうでありがとうございます!一応鍵垢のみフォロー許可を出しております、デリケートなジャンルなので怖々やってますので!よろしくお願いします!! (2019年5月16日 0時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
ちょろびん(プロフ) - こんにちは!いつも更新を毎回楽しみにしています!Twitterでも楽しめたらと思いTwitterのフォローしました! よろしくお願いします! (2019年5月15日 20時) (レス) id: 4183493b76 (このIDを非表示/違反報告)
rik(プロフ) - yukiさん» コメントありがとうございます!ラブラブりゅかみ!いつも、目指しているのでがんばります!よく横道に逸れますが生暖かい目で見守ってあげてやって下さい。 (2018年4月24日 20時) (レス) id: d865d0f00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rik | 作成日時:2018年3月30日 18時