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恋は焦らず 2 ページ9

緑「流星…」


青「ホンマにお前は、学習能力ってモンがないんか？」

ぶっきらぼうにそう言い放ったアイツは、それでも優しい仕草で、センセの前に飲み物を置いた。


緑「あ…りがと」


恥ずかしそうにそれを受け取ると、唇を突き出してストローを吸う。


ああ…そんな仕草も可愛ええ…。


青「恋愛は懲りた…って、暫くしないって言うてたやん…せやから俺は…」


ストローを咥えたまま流星とやらの方を振り向いたセンセの顔は不満そうに眉毛が寄ってて、ほっぺたがぷくって膨らんでて…とにかく超絶可愛かった。


緑「けど、どうせ彼やって本気やないと思う」


お、俺？本気じゃないって、俺の事言うとんの？


緑「考えてもみぃ、僕…もう29歳やし、小瀧くん17歳やん？一回りも違うのに…本気になんてなるわけないやん！」


ボソボソと…それでも一気に話終えると寂しそうに頷きズルズルとジュースを啜った。




青「ホンマにそう思っとるの？」

コクンと頷くセンセ…もう、俺は絶望感しかない。




青「そうやとしたら、あの青年可哀想やな…」



緑「せやかて流星！」

青「ああ…わかったわかった…お前がそう思っとるんなら俺はそれでもええわ」

緑「……ん」


青「じゃあさ、とも…やっぱり俺と付き合わへん？…」


なんやて！！


結局はそれかい？あのイケメン、油断も隙もないな！ちゃっかり自分を売り込んできやがった。


青「…とも、ずっと好きやったんや」

緑「えっ？ちょ…あっ」


椅子に座ったままのセンセを背中から抱きしめる流星。


カーテンが舞って、センセの顔を隠す…伸びてきた流星の右手がセンセの顎を捉えて…重なる唇…。


緑「…んっ…んんっ」


必死に逃れようと身をよじるけれど、上からしっかりと押さえられた身体は身動きを取ることも出来ひん。




見開かれた目に涙が溢れてきて……落ちた。





なぁ…俺の時はそんな顔せえへんかったよな？


俺とキスする時は…嬉しそうな顔…してくれた。


センセ…俺、自惚れてええのかな…？






桃「ちょっと待てや！」

窓側の入口から素早く侵入し、センセの前に立つ。

緑「コタ…」



ああ…泣いとる…やっぱ泣き虫なんや。


けど、泣かせたんは俺かな…やっぱ。




桃「センセは俺のやねん…返してや」


なるべく落ち着いた声で言い放った。



青「なんで返さなあかんの？モノやあるまいし」





あ…アカン…キレそうや。



なんなん？コイツ。

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