I’m all about you

◆恋の試練 ページ11

緑「あ、あのね…小瀧くん」

桃「小瀧くんやない！のんちゃん！ほら」

緑「の…のん…ちゃん」

桃「言えるやん…よく出来ました…とも」

首筋に唇を落とせば「ひゃあ」なんて、可愛い声を上げる。




今日は念願のお泊まりの日…一人暮らしの神山センセのマンションに、のんちゃんお泊まりやねん。


意外と高そうなところに住んでいるのは、やっぱ医者やからなんやろうな…。


普通の人とは収入も違うやろうし…。


お陰で素敵なお風呂もついていて、今日はまだ無理やろうけど…いつか一緒に入ったる。


そこで……ムフ…。


顔…にやけてまう。



そこでいつまでたっても他人行儀の「小瀧くん」
呼びに業を煮やした俺が、直接指導しとるとこやねん。



それでなくても最近増えに増えたライバルを牽制するのに大変なんやから。




『小瀧クーン』

桃「あ、こんにちは！」

『神山先生ねもう少しで診察終わるから、そこに座って待ってなよ、終わったら呼んできてあげるわ』

桃「おおきに」

そう言って看護師さんに笑いかければ、とても嬉しそうな顔をする。

自慢じゃないけどお姉様が受けは最高にええんやで。

『あ、ねぇ神山先生髪の毛切ったんだね』

桃「あの方が可愛くないすか？」

『うん…可愛いよ、可愛いけど？きっとこれから小瀧くん大変だよ！頑張ってね』

大変？いったい何が大変なんやろ？




そのときはわからなかったし、センセの可愛ええ顔が何時でも拝めるようになって上機嫌の俺やった。




緑「ごめん！小瀧くん診察押しちゃって、今日食事無理みたい」

桃「それなら…仕方ないです」

緑「ホンマにごめんな」


『あ〜あ、大変だぁ』

緑「だって仕事やし」

『うん、知ってる…神山先生が顔出すと患者が一気に増えちゃうんだよ…だからデートする時間減っちゃうね』


桃「え？」


そういう事？そういう事やったん？しかも…。


『神山先生、彼氏いる時は髪の毛伸ばしっぱなしだから…きっと今フリーだと思われてるね』


なんて事！！


俺は、なんて事してしまったん？


『前髪ないと、もっとかわええのに…』

なんて、自ら敵を増やすような事、してしまったん？


あああ…バカバカ！俺のバカバカバカ！！！



まぁ過ぎてしまったことは致し方ない。

ここはひとつ、恋人として１歩リードしとかなあかんね。



桃「センセ…今日な仕事遅なってもええから…」


緑「ホンマにごめんな」


桃「ええよ、その代わり…センセの家に泊めてくれへん？」


緑「…え？」


桃「だめ？」


ほら、真っ赤な顔でぷるぷると首を横に振るセンセ……想定内やで。

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