Delight (ページ29)

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お盆休みはほぼほぼ勝利と過ごしたわけなんだけど

高1の夏、当たり前に恋に進展はなくて

まあこんなもんかあって変に客観的になる。

そもそも向こうは私のこと知らないしね…笑

さおりちゃんとはなかなか予定が合わなくて

会えなかったんだけど

風磨くん、ちょっとは進展したのかな？

まあ私は人のこと言えないか…笑

[ A～！久しぶり！会いたかったよお！♡ ]

[ はいはい、暑いからいきなり飛びつかない。]

「さおりちゃん前髪切った？かわいい！」

[ あ！ほらやっぱりAは気づいた！

風磨ったら何にも言わないんだよ！ひどくない！？]

[ だから言ったじゃねーかよ…切った？って… ]

[ そういうことじゃなくて！]

「[ じゃなくて…？ ]」

少し耳を赤くしたさおりちゃん。

まさか、恥ずかしがってる？

[ あーもー！風磨のバカ！知らない！]

さおりちゃんは1人で行ってしまった。

[ こう言う時ってどう言うのが正解？]

「かわいいね、とか似合ってるね、とか？

私も意識したことないからなあ…」

[ そんな事言えるわけねーだろ…さおりのアホ。]

そんな世間話をしながら2人で並んで歩く。

「なんか変な感じだね。笑」

[ 何が？]

「まさかこんなに仲良くなると思ってなかったし、

ほらなんか、嬉しいのこういうの。笑」

[ バカじゃねーの。笑 ]

「あーまた！バカって言った！」

私達は戦友みたいなもの、

だから周りの目なんて気にしてなかった。

『...。』

後ろに彼がいたなんて

気づかなかったんだ。

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