2日目 ページ4
先生side.
雨がよく降る日。私は訳もなく街の路地裏を歩いていた。すると赤ん坊の泣き声が聞こえた。瞬時に捨てられたのかと理解した。その時私はなぜがその赤ん坊を拾っていた。拾った赤ん坊はすくすくと育ち喋って歩くようになった。
拾った赤ん坊は女の子だった。捨てられていたダンボールにはメモが置いてあり雑な字で
「名前はAです」
とだけ書いてあった。
その日私は最愛の妻を失ったばかりで寂しかったのかもしれない。私は無意識に拾っていた。
今となっては拾ってよかったのだろうかと思う。だがあのままにしていたらきっとあの子は…
「せんせー？どうしたの？」
先生「ん？何でもないよ」
「考え事？」
先生「まあそんなところだ」
「そっかー」
最近分かったことがある。どうも私はAの笑顔に弱いようだ。いや、この子自体に弱いのかもしれない。大人としてどうなのだろうか。
「あ！せんせーご飯できた？ねえ？」
先生「ああ。できたよ」
「やったー！早く食べよう！」
先生「そんなに慌てなくてもご飯は逃げないよ」
「だってお腹空いたんだもん」
先生「今出すからね」
「はーい！」
元気よく返事をしたAはパタパタと走り椅子に座りソワソワしていた。
そういえば私はこの子が家に来てから料理をするようになったがどうやらAは私の料理を気に入っているらしくご飯の時はいつもソワソワしている。嬉しいものだな。
「わ〜美味しそう！いただきま〜す！」
先生「いただきます」
私はこの子を拾ったことを少しばかり後悔はしているがこれはこれで良かったのかもしれない。このままずっとこの子と一緒に暮らすのだろうと思っていた。
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作者名：悠華 | 作成日時：2017年9月25日 20時
