記憶69 ページ24
ゴロゴロゴロ、と不安を煽る音が耳に届いた。
その音で目を覚ますと、ついでに昨日よりも強くなった雨の音も聞こえる。
ゴロゴロというのは雷の音色だったらしい。
生徒達の声は聞こえない。
まだ寝ているのかそれとももう授業に行ってしまったのか、分からないがどちらでも今日の私には関係ない。
(今日は一日寝ていなければいけないのか)
そうなると暇だ。
具合は悪くなく、むしろすこぶるいい。
眠気も全然ない。健康体そのものだ。
布団に入ったまま体をうつ伏せにして肘をつき、両手で顔を支えるようにする。
そうすると、机の上のものが目に入った。
本が三冊にノートが一冊に筆箱。
本は読み終わっている二冊とまだ手をつけてない一冊とに分けられている。
そして机の右上の隅には物騒にも、くないが置きっぱなしに。
(あの時はびっくりしたなぁ)
当時のことはまだ鮮明に覚えている。
何しろまだ三日しか経っていないのだから当たり前だが。
取りに来る気はないのだろうか。
ここに置いておいてもいいが、使わない私が持っているより使う人が持っていた方がいいのではと思う。
山本さんに預けるか……?
いや、年上の方をこき使うなど言語道断だ。
しかし、彼と私が会えばそれはもう一触即発といった風になってしまうだろう。
(そのうち取りに来るだろ)
考えることが面倒になった私は適当に結論付け、布団からは出ずに思いっきり腕を伸ばし、まだ手をつけてない本を手に取った。
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作者名:小学7年生 | 作成日時:2020年1月8日 20時