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第四章  ページ3

かれこれ1年弱たった。
私は今中3だ。あと少しで本当の高校生になる。
高専では高校二年生だが。

そして、私は今皇宮に来ている。
今月分の書類を提出しに。

『陛下、完成した書類をお持ちしました』

「…ああ」

『では、失礼しました』

後は帰るだけ、なのだが。

「まあ、待て。今日は藍月に会ってみろ。
 お前を追放してからおよそ4年たった。
 これを期にお前がどれほど、罪深い事をしたのか
 思い知るといい」

藍月。会った事のない、私の弟。
会っても罪を犯していないので、反省とかしないのだが、
王の提案はすなわち命令だから行かないといけない。

『…御意』

そして、私は陛下の侍従に案内されながら移動した。

部屋に着き中に入ると、そこには、
金髪の男の子がベットに横になっていた。

今は確か…10歳だったか。
毒の影響か身長は少し平均より小さいし、
顔は青白く苦しんでいるようだった。

『…少し1人にしてくれないか』

「しかし…」

『お願いだ。彼に危害は加えないと誓う』

私の真剣な顔から、本気だと感じ取ったのだろう。

「…それでは、私はドアの前に立っておりますので、
 何かあったらお呼びください」

『分かった。それと、誰もこの部屋に入れないでくれ』

頷いて侍従は出ていった。

…この子は天使か?

私が毒を持った訳ではないが、
申し訳ない気持ちで一杯だった。
このくだらぬ権力争いに巻き込まれてしまったのだから。

『…すまない』

考え込んでいると、ドアの前が騒がしくなった。
すると、ドアが開いた。

『誰だ?今は誰も入れるなと…』

「これはこれは。皇太子殿下ではありませんか」

…!蘇芳!

『ここに何のようだ』

「冷めたいですね〜。
 ただ皇子殿下のお見舞いに来ただけですよー」

怪しい。

『…そういえばお前。私を嵌めただろう』

「はて、何のことやら」

『私が皇子を毒殺しようとした。
 そんなシナリオを作ったのはお前だろう?
 そして私が廃嫡され、皇子が皇太子となる。
 さらに、幼い皇太子を支えるふりをして
 実権を握る。違うか?』

「くっ、あはは!…はぁ、素晴らしい!流石皇太子殿下だ
 そうですよ。貴女の仰る通りです。
 …全ては上手くいくはずだったのに。
 陛下ってば追放にするだけで、廃嫡にしないので
 予定が狂いましたよ。でも今日こそ成功させます」

『…なに?』

自分でも驚いた。こんなにも低い声が出るとは。
いや、それよりも今日こそ成功させるだと?なにを。

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ぽんぽこ(プロフ) - 諸星さん» ありがとうございます!頑張って更新続けます!👍🏻 (1月11日 21時) (レス) id: 47384d5418 (このIDを非表示/違反報告)
諸星 - この作品めっちゃ面白い🤣次回も楽しみに待ってるよ!更新頑張れ!!! (1月11日 6時) (レス) @page29 id: a6b1297b7c (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぽこ(プロフ) - 兼元彩花さん» そう言ってくれて嬉しいです!夏休み更新がんばるんで待っててくださぁい!!🫶🏻 (7月22日 13時) (レス) id: 47384d5418 (このIDを非表示/違反報告)
兼元彩花(プロフ) - この作品大好きです!次回も待っています! (7月22日 10時) (レス) @page18 id: baeefd3eb7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぽこ(プロフ) - きずなさん» ほんと!?…もう好き、らぶ🫶🏻頑張るね! (7月15日 22時) (レス) id: 47384d5418 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽんぽこ | 作成日時:2023年2月21日 22時

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