探偵社には社畜系お嬢様がいるらしい【文スト】

11話 ページ15

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『……あぁ、私、そろそろ駄目かも……』

それから、数日後の話
その日の私は酷く弱りきっていた

先に断っておくが、夢花さんのせいでは無い

「おい紫桜！？ま、まだ倒れるには早いぞ、俺と仕事(デート)に行くという約束だっただろう！」

「ちょっと国木田！紫桜は僕と駄菓子屋デートするんだけど！！どいてくれない？？」

「……私と猫カフェに行くと約束しただろう。……忘れたのか？」

「え？？紫桜ちゃんは私と心中するから今日で終わりなんだけど？？？」


誰が何を言っているか、何となく察しはつくと思う

というか人の事勝手に今日で終わりにするって何かしら……失礼の極み……？


『ごめんなさい、私今日は夢花さんからランチのお誘いをいただいているの……』

「は？」

「うわ……」

明らかに嫌そうな顔の乱歩さんと国木田さん
気持ちはわかるけれど

……誰にも言っていないけど、私はそこまで夢花さんのことも嫌いじゃないのだ

確かに仕事を押し付けてくるのに思うところはあれど、ああいう性だとすれば
少しだけ、親近感とか湧かないこともないし



「……紫桜は夢花のことどう思っているんだ？」

横から、国木田さんが聞いてくる
私を気にかけてくれるのは嬉しいけれど、それは少し余計だ

『乱歩さんに超推理してもらえばわかるでしょう』

「紫桜の口から聞きたい」

『別に、なんとも思っていませんよ。……好きとか嫌いとか、あった方がいいならそうしますけど』

まぁ、そんな後付けの感情になんの意味があるのか、という話はさておき

「……この間、大切なものを夢花に捨てられただろう」

『そうですね。……大切なものだったけど、今では少し感謝もしてるの』

「……どういうことだ」

『形見、だったけれど。捨てて欲しいと言われていたから』

『自分がいなくなったあと、私を縛りたくなかったんですって』

「……それは……」

『……優しい人、でしょ』

『だから、夢花なんてどうでもいいの。
私が許せないのは、彼を傷つけて、擦り切れて死んでしまうまで使い潰したものだけ』

……話すべきじゃなかったかな、こんなこと
私は少しだけ国木田さんに心を開き始めているのかもしれない

良くないな
……ちょっと、距離をとろう

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