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2話 ページ2

「おはようみんな!今日も頑張ろうねー!」


えいえいおー、らしい
澪音によれば1日頑張れるおまじない


……頑張る、か

誰からも愛されて、好きな物を好きなだけ与えられて、奪われたことすらない彼女の頑張るとは何なのだろう


黙って、自分の席に座る
誰とも話さないように俯いたまま、いや、本当はそんなこと必要ないのだった


どうせみんな、澪音の方に夢中なのだから


雪のように白く、ほんのり色付いた肌
きっと地面の味なんて知らない、少女らしいのにどこか色っぽい唇


……そういえば新しい化粧品を買ったと言っていたっけ


『……っ……』


澪音に足を踏まれた
昨日、側仕えに蹴られた場所だ
多分折れてる、昨日からずっと痛みが消えないのだ


……澪音は気づいていないのだろう、そのまま通り過ぎてクラスメイトの方へ行った


「やだ、悟くんったらくすぐったいよ……そ、それに恥ずかしい……」


澪音はクラスメイトの五条さんに抱きしめられて、照れたように笑っている


ああ、可愛いなぁ
……しょうがない、だって可愛いのだ


それがすべて、私から奪ったものだとしても、愛される澪音は可愛い

可愛いだけで許せるはずなんてないのに、それなのに、憎めない


「こら悟、澪音は私のものなんだけど?」


間髪入れずに言葉を返す、クラスメイト……夏油さん
澪音の腕をとって、笑っている


「わ、私は誰のものでもないよ……?」


困ったように笑う、柔らかな口調に腹が立つ
誰のものでもない、か

誰かに求められながら、自分を高く魅せるその無自覚さに苛立ちを覚えた


「それに!私が一番好きなのはお姉ちゃんだから!ねっ、お姉ちゃん!」

『あ、澪音……う、うん、あ、ありが、とう』


澪音が私に抱きついた途端、クラスメイトからの視線が鋭くなる


『あ、の、澪音、は、離れて……』

「ええ?やだぁ!澪音はお姉ちゃんと一緒がいいの!」


私の頬に擦り寄ってきた
……憎い、それなのに憎みきれない


五条さんと夏油さんからの人も殺せそうな鋭い視線が、ますます酷くなってきた


澪音は何も気づかない


……まぁ、一緒に暮らしているはずの私と屋敷ですれ違わないことも、私の痣にも傷にも気づかない鈍感な子だし無理もないけど


……澪音のせいで、余計に私が嫌われてるって“大好き”ならわかってくれてもいいのに

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ねかあ(プロフ) - ああああああああああ。いい展開!自覚ないのがなおむかつくwwww (11月16日 18時) (レス) @page5 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:riizumi7 | 作成日時:2023年11月15日 16時

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