【歌い手】無(ム)【まふまふ】

18℃ ページ18

『ごめんなさい。色々と付き合わせてしまって…』



頭を下げればそらるさんはいいよいいよ！なんて。
その優しさが心に染みた。






『きょう、ちゃんとまふと話してみます』




「うん。それがいいかもしれないね
じゃあ俺は帰るね」









『本当にありがとうございました…！』





帰っていく背中に言った。
聞こえたか聞こえていないかは分からない。
どんどん小さくなっていくそらるさんの背中はなんだかすごく大きくて。
私もたくさん頼っちゃったな、今日だけで。





そらるさんが見えなくなって私は家に入った。
相変わらず静かな家。








まふの部屋まで来て、また躊躇う。
どうしようか、考えて。
ドアをノックしようとする腕が震えていて。



結局は自分に勇気が無いことに呆れて諦めてしまう。
その繰り返しだ。








今日は話せる気がしない。
そう感じた。






もうなんだか疲れてしまった。







私はソファに座ってうつらうつらしていた。
眠いような、そんな感じ。
今日はもう寝ようかな。






微睡みに誘われて。









眠りについた。

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