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17℃ ページ17

『家に帰ってるか、一回見に行ってもいいですか?』






もう何時間も探した。
何処にもまふは居なかった。







「うん、いいよ」




私は自分の家への道を歩いた。
私が少し前でそらるさんが少し後ろ。
特に何かを話すわけでもなく、お互い一生懸命歩いていた。








もうすぐで家に着く。
そのとき






家の中へ入っていく影が見えた。







『まふ…!』









分かった。彼だと分かった。
その後ろ姿を忘れたことは無い。







そらるさんのことを忘れて、走った。
まふは声が聞こえたのか後ろをゆっくり振り返った。









『まふ…っ、まふ…!』




たくさんたくさん名前を呼んだ。









『…どこいってたの?』





腕をがっちり押さえて逃げられないようにした。
目を見た。彼の目はなんだか充血していた。









「…」





何も言わない。口を開いてくれない。









『まふ、』





「…っ、」





まふが口を開こうとしたところだった。









「君が、まふまふくん?」




そらるさんの声が聞こえた。
私はそらるさんのことを思い出して、



『あっ!


そらるさん…!すみません急に走っちゃって、』









いつの間にかキミの腕を離していた。









「いいよいいよ。

それよりさ、Aちゃんずっと探してたよ君のこと
ずっと名前を呼んでたよ」







まふはそらるさんに鋭い視線を向けていた。
そらるさんもなんだか怖い顔をしていた。









「なんか言いなよ」




そらるさんが一歩前に足を出した。









ガチャッ






まふは家の中に入っていってしまった。









『あっ!まふっ!』




名前を呼んでも出てこないだろう。
なんだか名前を呼ぶのが癖になるくらい呼んでいる気がする。







『ごめんなさい…』




そう謝ればそらるさんはいいよいいよなんて。笑っていた。









さっきみたいに怖くはなかった。






キミの腕を掴んでいたときの感覚がまだ手に残っている。







なんだか、折れてしまいそうな細い腕だった。
白い手の甲だった。

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My_lay(プロフ) - 久しぶりの更新、お疲れ様です!どうか無理はしないで下さいね…!応援してます。 (2017年8月30日 7時) (レス) id: 80fcad1283 (このIDを非表示/違反報告)
meal - この作品大好きです! これからも頑張ってください 応援しています (2017年7月27日 22時) (レス) id: 43ed2044ce (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - りり@休日なんで更新頑張りますさん» あああ!ありがとう~~!更新がんばります! (2017年5月16日 12時) (レス) id: 671472fa46 (このIDを非表示/違反報告)
りり@休日なんで更新頑張ります(プロフ) - りとさん» 読んだよ…!!私の何倍も素敵な作品でした…!!((( 応援してます!! (2017年5月14日 16時) (レス) id: 1207641a4c (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 従順なこいぬさん» ご指摘ありがとうございます。22話が非公開になっていました…!すみません…! (2017年5月13日 0時) (レス) id: a9b576e822 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りと | 作成日時:2017年4月17日 22時

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