見える明日は (ページ9)

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side:ラウール

その頃、僕は亮平の病室に来ていた。

「…8月まで、僕と一緒に頑張って欲しい」

阿部「頑張るのなんて結局俺だけじゃん……
先生には分かんないよ……」

ラウール「亮平の気持ち、聞いてあげられなくてごめん、」

オペは終わったものの残っている腫瘍も大きく、できれば今すぐにでも放射線治療を始めたい。

治療において心が追いつかないことがあるのは当たり前なことだけど、亮平だけは何としてでも助けたい。

こんなにも努力家な人、他にはいないから。

prrrrrrrrr…

胸元のphsの着信の相手は目黒先生

「村上です」

話の内容は、搬送されたAちゃんが亮平に会いたいという内容。

「突然なんだけどさ、
亮平って今井Aちゃんって子と知り合い？」

阿部「A…
高校で、同じ生徒会入ってる…
…………………なんで？」

ラウール「実はAちゃん、昨日ここに運ばれたの。亮平と同じ脳腫瘍で…
Aちゃんが亮平に会いたがってる」

しばらく考え込んだみたいだけど、いいよと言ってくれた。