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雪矢総合医療センター
メンタルケア科 医師 : 深澤辰哉
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side:深澤
亮平の主治医の目黒先生からの連絡通り、今日は久々に亮平に会いにいく
久々に来た亮平の病室は心做しか少し薄暗く見えた
「失礼しまーす
亮平、起きてる?」
阿部「…ふかざわ…せんせ…?」
亮平のベッドサイドに行くなり声をかけると、涙を流していた。
相当溜め込んだな
「大丈夫、ゆっくりでいい。
ゆっくりでいいから、まずは落ち着いて、辛い、苦しいって思うこと、話せることから俺に話して?」
そう言うと「もう何もかも嫌になる、やらないと進まないのは分かってるはずなのに」って
頭いいから色々と考えてはいるのに、行動が追いついてないって感じか………
「亮平が、辛くないペースでいい。だから昨日よりも今日、今日よりも明日、少しずつ進めばいい。焦る必要なんてない
目黒先生だって、村上先生だって、もちろん俺だって、この先ずっと亮平の味方なんだから。」
阿部「……昨日、さ、またリハビリサボっちゃった…
俺……岩本先生に嫌われてないかな…」
「岩本先生はそう簡単に亮平の事諦めたりするような人じゃない。また明日から一緒に頑張ればいいよ」
阿部「…そっ…か。
深澤先生、ありがとう」
「ああ、また来るから」
俺の言葉が少しでも亮平にとってプラスになればいい、そう願って俺は亮平の病室を後にした。
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作者名:桜華 | 作成日時:2020年4月22日 16時