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side:A
目黒先生って人に亮平くんと会いたいというお願いをしたら、車椅子に乗せて亮平くんの病室まで連れてきてくれた。
目黒「失礼します」
入った病室には、目を覚ました時に横にいた、背の高い先生もいた。
「…亮平…くん」
阿部「…ごめん…、本当に……」
「……治ったんじゃなかったの」
私と亮平くんは同じ高校で生徒会をやってる。
唯一出身中学校が同じで、話すようになったのは高校からだけど、優しくて頭も良くて、爽やかな人。
私が亮平くんの病室に来た理由はただ1つ
治療をするか決めたかったから
阿部「手術は終わったけど……俺もう助からないから」
こういうこと。
亮平くんが助からないなら私が助かる理由なんて無い。
「先生、私手術受けない」
私がそう言った時、即座に反応したのは目黒先生でもラウール先生でもなく、亮平くんだった。
阿部「ダメ
そんなの、俺が許さない」
そんなに震えた声でダメって言われたって
亮平くんだって、色んなものを失ってきたんでしょ…?
徐々に失っていくより、私は一気に終わらせたい
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作者名:桜華 | 作成日時:2020年4月22日 16時