【d!】好きなものを好きなだけ。 (ページ1)

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あいしてる。【gr】ページ1

「A、」

突然名前を呼ばれ振り返る。

『…？何か？』

「…、愛しているぞ。」

『？…、わたくしもお慕いしております…？』

いきなりの事に驚きながらも返す。
我が総統閣下はいつも唐突だ。

あいしてる。

よく意味が分からない。
そういうのを言うのはもっと…自分の様な者ではなく、大切な人に言うべきなのでは無いだろうか。

その考えが顔に出ていたのか、露骨に総統閣下の顔が不機嫌になる。

「お前は自分の価値を理解していない。」

そう言うと私の手を引っ張り総統閣下の腕の中へ閉じ込められる。
…抱き締められている。そう理解するのにそう時間はかからなかった。

『な…っ、そ、総統閣下…っ！？』

「お前を見ているだけで胸が締め付けられて苦しくなる。Aが居なくなったら。と考えると正しい判断が出来なくなる。ここまで俺を掻き乱しておいてお前が大切な人じゃない？巫山戯るな。」

抱き締めていた手を離し、私の頬を撫でる。
割れ物を扱うかの様に、丁寧に。

『ぁ…ぅ…』

私へ向けられる愛しいものを見詰める目。
それはあまりに不慣れで戸惑ってしまう。

『ぁの、…は、なして…くださ…』

途切れ途切れになりながら必死に伝えると総統閣下はニヤリと笑いもう一度「愛している」と私に伝える。

どうしようも無く恥ずかしくなって俯く私を見て総統閣下はまたカラカラと笑うのだった。