囚われの館〜恋愛短編集〜

嫉妬〜モルフォ〜激甘 ページ5

｢へぇ、この薬草ってこんな効果があるんだ……｣

ムールさんの書斎部屋を借りて、薬草の図鑑を見ていた。
この書斎には色々な本があって、面白い。

｢あっ、Aお姉ちゃん見っけ！！｣

ビックリして後ろを振り替えると、そこにはモルフォが扉の前に立っていた。

｢どうしたの？モルフォ。｣
｢あのね、お姉ちゃん、一緒に遊ぼ！｣
｢フフッ、良いよ。何して遊ぼっか？｣

モルフォは考える仕草をしたあと、花が咲いたような満面の笑みを浮かべて、言った。

｢んーとね、僕の部屋でかくれんぼしよう！｣
｢かくれんぼね。良いよ。｣

やったあ！と跳ねるモルフォ。
可愛い……←

｢じゃあ早く行こう！｣

モルフォに手を引かれながら、私は書斎をあとにした。


階段を下りて、廊下に出る。
するとそこには、人形を抱えながら歩くチルちゃんの姿が。

｢あ……おにぃちゃんにおねぇちゃんなの……｣
｢あ、チルちゃん、こんにちは。｣

モルフォと話すとき同様、しゃがんで目線を合わせる。

｢あのね、おねぇちゃん、お願いがあるの……｣
｢お願い？｣

上目遣いで話すチルちゃん。
可愛い、天使。←

｢ちょ、ちょっとチル！お姉ちゃんは俺と遊ぶんだ！後でにしてよ！｣

モルフォが私に抱き付いた。

｢お願い、きいてくれないの……？
ｸﾞｽ…ｸﾞｽ……！えーん……！！｣

チルちゃんは泣き出してしまった。

｢な、泣かないで！お願い聞いてあげるから…！！｣
｢えぇッお姉ちゃん！｣
｢ごめんね、モルフォ……すぐ行くから、ちょっと待っててもらっても良い…？｣

そう聞くと、モルフォは渋々頷いて、部屋に入って行った。

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