五十二の巻 ページ7
「サクラッ」
「A先生・・・」
涙でグショグショなサクラ
ナルトとサスケはツクヨミに運んでもらって地べたで寝ている
ちなみにツクヨミは俺の中に戻った
「サスケ君は・・・ナルトは大丈夫なんですか?!」
「うん、大丈夫だよ」
「良かった・・」
安堵のため息をつくサクラ。
まぁ、サスケの方は正直どうなるかわからない
大蛇丸の呪印を付けられたのだ、死ぬか壊れるかのどっちかだろう
ああ、でも・・・アンコは生きてるな。あれは例外かな((
「ごめんな、サクラ。俺は報告しにいかなきゃならないからこいつら頼んでもいいか?」
「ッはい」
「すぐに戻ってくるから」
「あの!・・・ありがとうございました」
「・・・気をつけて」
シュッとその場を離れる
正直、ここまでやるのはやりすぎたかなと思ったが
かわいい教え子を殺されるのは我慢ならない
目を閉じて怒りを静める。そうでもしないと気が持たない
「・・・火影様、失礼します」
「おお、Aか」
「残念な報告です、・・・大蛇丸が現れました」
「・・・やはりか」
俺に背を向けたまま、ゆっくりとタバコをふかす火影
俺が何を言うか察したのか、振り返って一言、俺の名を呼んだ
いつもと様子が違うこと、気付いてた
いつもの火影様じゃないってことも、いつもの俺を見る目じゃないってこと
気付いてたけど、気づかないふりをした
「A」
いわないでくれ
貴方からその言葉を聞きたくない
頼むから、それをいわないでくれ
「ワシの寿命はもう短いのだろう?」
急速にのどが渇くのが分かった
乾きすぎて、上手く声を出すことが出来ない
しばらくの沈黙が続き、声を発したのは火影だった
「たくさん世話になったなぁA・お前がワシの娘に来てからというもの、
もう十何年もの付き合いになるのぉ」
耳が痛かった
世話になったのは俺のほうだ
ようやく口に出せた言葉は
「なんで、そんな事・・・まだ、死ぬって決まったわけじゃない」
「・・・A、お主は聡い子じゃ。ワシが死ぬことも全て分かっておるはず
それを知っておきながら、そのような発言をするのか?」
「でもッ!!」
「お前が守ってくれるのだろう?」
にっこりと微笑む姿を前にして、これ以上のことが言えるわけがない
というかこれ以上のことを言ってもきっと無駄だろう
だったらやってやる
「・・・この命に代えてお守り致します・・・父さん」
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作者名:雪林檎 | 作成日時:2015年12月5日 18時