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「「ハッピーバースデー！ロー！」」
「わぁ、！」
豪華な夕食のあと、母さんが運んできた大きなケーキにローの目が輝く。朝から母さんがローに内緒で作っていたのだ。
「俺が切るよ」
「おれも！切りたい！」
「はは、じゃあ一緒に切ろう」
「うん！」
生クリームの上に沢山イチゴの乗ったケーキに、二人でナイフを持って切り込みを入れていく。勿論、ローが手を切らないように細心の注意を払いながら。
「切れた！」
「ロー、どれが良いか最初に選んでいいぞ」
「！ほんと？」
「あぁ。今日はお前の誕生日だからな」
父さんがそういうと、嬉しそうに笑って、ローは大きなイチゴが乗った一切れを指差した。それを倒れないようにナイフで持ち上げて、ローの皿に移してやる。
「おめでとう、ロー」
「ありがとう！」
そうして、母さん特製のケーキを堪能した後、父さんが立ち上がって、ローに袋に包まれたプレゼントを差し出した。
「ほら、ロー。私と母様からのプレゼントだ」
「俺からも」
はい、と渡す。すると、中身が気になるのだろう。ソワソワしだした。
「中、見ていいぞ」
「っふふ、きっとローが喜ぶものが入ってると思うわよ」
ローはまず、父さんたちからのプレゼントを開ける。中に入っていたのは、赤色の小さなネクタイだった。父さんがいつもするすると結ぶのを見て真似してたのを思い出して、思わず笑った。
次に開いたのは、俺のプレゼント。袋ではなく箱に入っているから、ローは不思議そうにしていた。
「…わ、」
箱から取り出して、ローはまたキラキラと目を輝かせた。
「帽子だ！…ありがとう！兄さま！！」
俺が買ってきたのは、ファー状の帽子で白地に黒の斑点模様がついてるもの。ローが選んでくれたケースと同じ模様だ。前にあれをじっと見ていたから、きっとこの模様が好きなんだろうと思って買ってきた。
ニコニコと俺にお礼を言ったローは、そのあと直ぐに父さんと母さんの所へ抱き着きに行って、また礼を言った。
「ありがとう！父さま！！母さま！！大事にする！」
こうして、世界一可愛い、弟の誕生日が終わっていった。
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作者名：雪林檎V2 | 作成日時：2021年1月28日 14時
